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週刊マーケットレター(2014年10月27日週号、No.506)





為替レート

1024日(前週)

1ヵ月前

昨年末

  円ドル

108.15(106.88)

109.02

105.28

 ドルユーロ

1.2669(1.2758)

1.2779

1.3748

 ドルポンド

1.6085(1.6090)

1.6340

1.6558

 スイスフランドル

0.9518(0.9461)

0.9453

0.8928

短期金利(3ヵ月)

 日本

0.10786(0.11286)

0.11929

0.14786

 米国

0.23360(0.23075)

0.23410

0.24610

 ユーロ

0.06214(0.05714)

0.05286

0.26571

 スイス

0.01100(0.00800)

0.00600

0.02300

長期金利(10年債)

 日本

0.470(0.475)

0.525

0.735

 米国

2.27(2.20)

2.57

3.03

 英国

2.23(2.19)

2.48

3.04

 ドイツ

0.89(0.88)

1.01

1.94

株 式

 日経平均株価

15291.64(14532.51)

16167.45

16291.31

 TOPIX

1242.32(1177.22)

1326.18

1302.29

 NYダウ

16805.41(16380.41)

17210.06

16576.66

 S&P500

1964.58(1886.76)

1998.30

1848.36

ナスダック

4483.71(4258.43)

4555.22

4176.59

 FTSE100(英)

6388.73(6310.29)

6706.27

 6749.09

 DAX(独)

8987.80(8850.27)

9661.97

9552.16

商品市況(先物)

 CRB指数

270.22(272.63)

280.38

280.17

 原油(WTI、ドル/バレル)

81.01(82.75)

92.80

98.42

 金(ドル/トロイオンス)

1231.8(1239.0)

1219.5

1202.3

 


主要マーケット指標

道徳と分配の乱れ

株価が下がれば、透かさずGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が日本株比率を引き上げるという報道がでる。政治家のすることは露骨で姑息であるため、株式の上昇が長続きすることはない。日本株を買えば、円売りドル買いも執行され、円安ドル高となる。日本国債も買われ、利回りは低下し、過去最低に近づきつつある。米株も持ち直したが、特別、理由があるからでなはい。売られたから買い戻す、実体経済が日々変化するわけでなく、人の気持ちだけがふらふらしている結果なのである。みながどのように思うかということを突き詰めていくことが株式の本義なのである。浅ましい賭博の世界だ。

10月の『月例経済報告』によると「景気は、このところ弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている」と文言の一部を変更した。消費など相当弱いにもかかわらず、回復基調が続いていると理解不能な作文を書く。こうした官僚の作文をよしとする政治屋によって日本は運営されているのだ。良くなるはずがない。

政治資金のでたらめな使い方をしても大臣を辞めることで一件落着。そのような政党に経団連は政治献金を再び行うという。大企業のおえら方はなぜかくも与党に与するのだろうか。大企業に都合のよいような仕組みを作ってもらいたいためには、金が一番手っ取り早いと考えているのだろう。株式についてもなにかと便宜を図ってくれる、ありがたいことだ。献金してさらに政治との結びつきを強くしたい姿勢を鮮明にしている。

金で政治を動かそうという考えが根底にある社会で、義務教育に道徳を正式教科として組み込むという。政治や経済界では、これまで数々の不正が行われてきた。子供は大人の鏡と言われており、金にまつわる不祥事が多発するなかでは大人が道徳を身につけることが先決だ。子供がよしんば学校の道徳教育で徳を身に着けたとしても、ふしだらな大人が多くいる社会では多勢に無勢ではないか。

実体経済を正当に見ない、見て見ぬ振りをする、これなども道徳的には問題のある行為だ。官僚や政治屋は事実を歪曲、捏造、改竄、隠蔽することに長けた人といえる。学校で歪曲、捏造、改竄、隠蔽をすれば、厳しく問われるだろう。ところが、大人の社会では歪曲、捏造、改竄、隠蔽の長けた人も社会の上層部に入っていくことができるのだ。

『月例経済報告』なども自作自演でフィクションのようなものである。火の粉が降りかかるのを避けるため、当たり障りのない作文を書くのだが、いつも色眼鏡をかけて経済をみていると、それが当たり前になり、実体が見えなくなってしまう。目が麻痺してしまい、自由に素直にものをみることができなくなり実像を掴むことができなくなる。麻痺してしまうことの怖さを知るべきだ。

 ウォール街の強欲、あくどさなども道徳に反することだが、強欲さを削ぐために導入を試みた規制は骨抜きになってしまい、金融危機以前よりも金融機関は巨大になってしまい、ますます潰すことができなくなった。金融機関、政府、学者などが金融村をつくり、金融規制を葬ってしまったのだ。日本の原子力村と同じで、持ちつ持たれつの関係であり、3者はつるんでいるのである。財務省や大統領経済諮問委員会のトップに金融機関の手先が座るようでは、米国の金融規制は頓挫するのは当然だ。

18日(土曜日)、日経は「国内株運用20%台半ば」と報道したが、金曜日の急落直後であり、政府の意図を忖度して報道したように感じられる。そのような報道で株価が変動すれば、株式は歪になるだけである。株式はさまざまな材料の影響を受けるけれども、国の金ではない年金をあたかも国が自由に処置できるように扱うことは間違いである。

運用することも間違いだ。日本経済はゼロ成長が続く見通しであり、長期的に株式運用で稼ぐことなどできないので、株式運用などすべきではない。年金は運用コストを払い続けなければならず、運用機関が潤うだけである。運用コストが年1%だとすれば、1兆円以上の金が毎年、運用機関に流れていくのである。運用を失敗しても運用報酬が貰えるというおいしい仕事なのだ。今、消費者物価は前年比プラスだが、来年度になればマイナスになるはずだ。現金で保有しているだけで金の値打ちは上がるのである。欲を出さないほうが良い。欲をだせば必ず痛い目に合う。

 消費税引き上げによる消費の削減は続き、経済は後退している。懐が寂しいので、3%超の物価高は、家計に堪える。消費削減しか生活防衛手段はないのだ。民間は、公務員のようにボーナスが間違いなく支給されることもなく、今冬のボーナスが減少し、出なくなる人も出てくるだろう。

 8月の現金給与総額は前年比0.9%増だが、一般労働者の前年比1.3%に対して、パートタイム労働者は-0.6%である。一般労働者の給与額は348,974円だが、パートは95,851円と一般の3割にも満たない。8月の月間労働時間は一般162.8時間、パート90.1時間であり、1時間当たりの給与は一般2,143円、パート1,063円とパートは約半分だ。この低賃金で企業は多くの利益をだしているのである。

 例えば、パートの時給を一般と同じにするだけで、年23兆円の人件費増になる。昨年度の全産業営業利益は48.6兆円であるから、この人件費を差し引けば25.6兆円に減少することになる。2,000万人ほどのパートが23兆円の利益を企業に与えているのである。

産業別でも格差が大きく、最低の「飲食サービス」の125,245円から最高は電気・ガスの436,547円まで約 3.5倍の開きがある。2011年3月の事故以降、原発停止という理由付けで電気料金は大幅に上がったが、電気の給与は産業のなかで最高水準を維持している。因みに、調査産業計では273,569円である。依然、利益が総括原価方式に守られている特殊性によって、高賃金が維持されているのである。原発事故や原発停止でもびくともしない高賃金にメスを入れ、一般とパートの格差と同時に、歪んだ産業間の分配を是正しなければならない。不平等な分配は道徳的な観点からも取り組まなければならない最大の課題である。