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日本の男、23%が未婚とは

イラクへの軍事介入が失敗だったことなどトランプ大統領の頭にはこれっぽっちもないのだ。化学兵器の使用が本当かどうかも検証されていない段階で、アメリカにも化学兵器の危険が及ぶかもとこじつけ、シリアをミサイル攻撃した。イラクに米国が介入したことがいまのシリア情勢を作り出した。軍事力を使えばそもそもさまざまな民族・宗教が入り込んでいるところだから、火に油を注ぐようなものである。軍事力を用いてうまく収まることなどありはしない。2度の大戦で懲り懲りのはずだ。だが、トランプ大統領や安倍首相は懲りない面々なのだ。
支持率が下がるばかりのトランプ大統領は支持率を上げるに軍事介入した。それも中国の習近平国家主席が米国訪問中に実行するというはでな演出で、国民の関心を引き付けようとした。口先だけで政策の実効性が疑われているなかで、何かやらなくてはという強迫観念にとらわれているのかもしれない。
トランプ大統領は軍事費を大幅に増額する方針だが、軍事費の拡大を図れば、民生部門は疲弊する。中国やロシア、北朝鮮をみれば明らかではないか。独裁政権ほど軍事に湯水のごとく資金を注ぎ込み、自分の地位を守ろうとするのだ。安倍政権も防衛省の予算を増額していることから、軍事国家を目指しているのだろう。

3月の米失業率は4.5%と2007年5月以来約10年ぶりの低水準となったが、米国経済の7割ほどを占める個人消費支出は冴えない。個人消費支出が低迷しているのは賃金の伸びが低いからである。3月の時間当たりの賃金は前年比2.7%と伸び率は過去1年ほぼ横ばいである。金融恐慌後の2009年4月までは3%を超えていたが、その後伸びは急低下し、長期間2%前後で推移していた。2015年の秋から伸びは少し回復してきたが、3%に届くことなく足踏みしている。2月の消費者物価は前年比2.7%も上昇しているので、物価上昇率を差し引けば3月の賃金は実質まったく伸びていないことになる。
米雇用コスト指数(民間企業の賃金・俸給)をみても昨年10-12月期は前年比2.3%と伸びは2四半期連続で低下している。2009年末の最悪期よりは回復しているけれども、金融恐慌以前に比べればよくない。
国民所得に占める雇用者報酬の割合も2016年は62.6%と2年連続で改善しているが、それでも2009年(64.2%)以前に比べれば低い。一方、昨年の国民所得に占める企業利益の比率は12.9%と前年よりも0.4ポイント低下したが、2007年の12.4%を上回っている。国民所得が減少した2009年を2016年と比較すると、雇用者報酬は29.7%の増加だが、企業利益は49.2%も拡大している。こうした分配の歪みが、米個人消費低迷の大きな原因になっているのだ。
トランプ大統領はこうした消費不振の根本問題に取り組むのではなく、企業利益のさらなる拡大を図ろうとしている。トランプ大統領の政策が実行されることになれば、分配はますます不公平になり、米国経済は停滞から抜け出すことが難しくなる。

日本も米国とまったく同じ問題を抱えている。2月の失業率は2.8%と1994年6月以来約23年ぶりの低水準だ。株式バブルのピークだった1989年12月の失業率(2.1%)に比べるとまだ高いが、2%台はほぼ完全雇用といってよいだろう。これほど雇用が改善していながらも、消費はまったく不振なのである。2月の『家計調査』(二人以上の世帯)によると、名目消費支出は前年比-3.4%と過去1年半でプラスはたったの2回であり、あとはすべてマイナスである。勤労者世帯に限ってもプラスは4回にすぎず、節約志向が強く、消費マインドは冷えていると言える。
勤労者世帯の実収入は昨年8月以降7ヵ月連続の前年比プラスだが、消費意欲を高めるまでにはいたっていない。2月の実収入はプラスとはいえ前年比1.1%、実質では0.7%と低く、先行きさらに伸びるといった展望を描くことも難しいのだ。2016年の平均消費性向は72.2%と2年連続で低下し、2001年以来15年ぶりの低水準に落ち込んだ。
2016年の実収入をみると、名目0.2%と2年連続で増加したが、2008年を下回っているし、2000年比では6.4%も少ないのである。長期的に実収入の増加は望めないと家計は考えているのだ。実収入が増加しなければ、消費支出を増やすわけにはいかない、せいぜい現状を維持することができればよいと思っているのだ。

国民所得が一定であり、高齢者向け支出が高齢化に伴い増加するのだから、非高齢者向けの支出は減少せざるをえない。『人口統計資料集』(国立社会保障・人口問題研究所)によれば、2015年の65歳以上の人口比率は26.8%だが、2025年30.3%に上昇する。2025年までの10年間で65歳以上は310.8万人増だが、75歳以上は2,178万人と2015年比566万人も増え、そして75歳以上が19歳以下(1,849万人)を上回ることになる。
これほど人口構造が変化し、さまざまな問題が噴出しつつあるにもかかわらず、50歳時の未婚割合(生涯未婚率)は急上昇している。2015年の男の未婚割合は23.37%と2005年比7.41ポイントも高くなり、ほぼ4人にひとりが生涯結婚しない事態に陥っている。2015年の女の未婚割合は14.06%と10年で6.81ポイント高くなっている。
男の未婚割合は1970年まで1.0%台であったが、その後上昇し、2000年には2桁になった。女は1970年に3.33%へとそれまでの1.0%台から上昇し、2010年には10%を超えた。いずれにしても未婚割合の急上昇は出生にも影響するだろう。そのことは高齢化比率を高め、日本の活力を削いでいくことになるだろう。
目先の目立つ外交問題に真剣になるくらいなら、この未婚割合はなにが原因でここまで上昇したのかを究明し、結婚したい人には結婚できるような社会を作っていかなければならない。それこそが喫緊の課題ではないか。労働時間の短縮、有給休暇取得の義務化、男女平等な給与、非正規労働の削減、育児休暇の義務化等を実行しなければ、今の日本社会は成り立たない。月100時間未満の残業を認めるのでは、安倍政権は結婚や子育てを否定したことになる。自壊の道を選択しているとしか言いようがない。

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