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新型コロナは生活様式の変更を我々に迫っていると受け止めるべきだ。ウイルスは敵ではない。悪さをすることもあるが、哺乳類には不可欠なウイルスもいる。今までは人間はあまりにもわがままに振舞ってきた。やはり節度は大事である。食べることでも「腹八分目」というではないか。代謝能力を超える食べすぎは、がんから認知症にいたる病の元になるらしい。ほどほどが深刻な事態を招かない最良の生き方かもしれない。

仕事の帰りに気の合う友達と一杯やる幸福感は否定できない。だが、仕事が終われば、帰宅し、家族で食卓を囲み、その日のことなどを喋ることも楽しいことだ。家族でろくに食卓を囲むこともできない社会は、決して良い社会とは言えない。普段の生活ができる社会を取り戻すことが、社会の充実・安定には不可欠なのである。新型コロナウイルスは生活の反省を促し、より人間的な生活に舵切りするように呟いている。

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6月の非農業部門雇用者数は1億4,575万人、2020年4月から1,559万人の増加である。月平均111万人の雇用の回復を実現してきたが、このペースで回復していけば6カ月ほどで過去の最大雇用に到達することになる。だが、昨年12月までは急回復していたが、今年に入り月平均54万人へと回復力は鈍化している。

新型コロナによる経済への打撃はこれまでにないものであり、先行き不安から企業はかつてない規模と速度で解雇した。民間部門では2020年4月までの2カ月で2,135万人が仕事を失った。産業別にみるとレジャー・接待業が最大で人員削減は822万人におよび、これだけで民間雇用減の38.5%を占めた。レジャー・接客業に小売りと教育・保険サービスを加えた3部門で62.9%を占めるという産業間の歪さが浮き上がる。産業間での雇用削減の強弱によって、雇用が回復する過程で希望の職種に付けないというミスマッチが生じやすくなっており、これからの雇用の回復速度は鈍るのではないだろうか。

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株式などを含む米金融資産の総額は今年3月末、307.1兆ドル、10年間で2倍超に拡大している。名目GDPの1.44倍を上回り金融資産・名目GDP比率は13.92倍、10年前の9.87倍よりも4.05ポイントも上昇し、上昇幅はその前の10年の1.36ポイントを大幅に上回った。

金融資産が名目GDPの約14倍もの規模に拡大していることは、金融政策は実体経済よりもむしろ金融経済中心に運営されるべきだと受け取れる。22兆ドルの実体経済と307兆ドルの金融経済のどちらが金利に敏感かといえば、後者であることは間違いない。ゼロ金利が307兆ドルに膨らませたのである。利上げは確実に307兆ドルを収縮させるだろう。かつてない規模に膨らんだ金融経済が、どの程度萎むことになるかはわからない。いつまでも雇用やインフレといった実体経済を目標にしてきた付が回ってきたと言える。FRBは利上げしたいが、怖くて利上げできないというのが本音ではないだろうか。

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6月18日、政府は「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太方針2021)を閣議決定した。「グリーン、デジタル、活力ある地方創り、少子化対策」によって、日本の未来を拓くという。「活力ある地方創り」や「少子化対策」はこれまで何度も言われてきたが、若者の地方から東京への流入は一向に止む気配はない。地方には若者をわくわくさせるところがないのだ。なにかその地方独特のものつくりや産業があり、それによって潤い、生活が豊かにならなければ、わくわくさせる場を作ることはできず、人は集まってこない。だが、地方独自のものつくりを意図的に始めようと思ってもできることではない。時代が変わることによって、おのずと地方の「あるもの」が注目され、それが利益を生み出していけば、自然に人は集まってくる。手っ取り早く企業誘致をしても、工業製品の寿命は短く、廃れやすく、ラストベルトになりかねない。地に足のついたものつくりを始めることは容易ではない。

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6月4日、厚生労働省が『2020年人口動態統計月報年計の概要』を発表した。昨年の出生数は84万832人、前年比2万4,407減と5年連続のマイナスとなり、明治32年以降では最低を更新した。50年前の1970年の出生数は193万人、100年前の1920年は202万人であった。一方、新型コロナ禍でありながら、死亡数は137万2,648人と前年よりも8,445人減少した。前年を下回るのは2009年以来11年ぶりである。出生数から死亡数を差し引いた自然増減数は53万1,816人減と2007年以降14年連続で減少幅は拡大している。減少数を53万人と仮定すれば、日本の人口は10年後、530万人、20年後には1,060万人減少することになる。

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4月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年比3.6%と前月の2.4%から1.4ポイントも上昇した。食品・エネルギーを除くコアも3.1%、前月よりも1.2ポイントも高くなり、1992年7月以来約29年ぶりの高い伸びだ。しかし、公表当日の米債利回りはやや低下し、株式や金は上昇した。

3月の米可処分所得は給付金の支給で前月比23.4%も急増したため、4月は14.6%減少した。そのため、4月のPCEは前月比0.5%に鈍化した。賃金・報酬は前月比1.0%増加しているが、個人の消費意欲は盛り上がっているわけではない。4月の貯蓄率は14.9%、前月比12.8ポイント低下したが、新型コロナ以前を大幅に上回っており、消費者は引き続き先行きを慎重にみている。

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ゼロ金利が借入を容易にし、特定部門を正常な水準から引き上げたが、貯蓄から消費への流れは強くはならなかった。金利をゼロに引き下げても、家計の貯蓄を減らすどころか、さらに積み増す行動に出た。所得がほぼ横ばい状態でも貯蓄選好を強めたのだ。

総務省の『家計調査』によれば、総世帯のうち勤労者世帯の2020年度の貯蓄率は40.0%である。新型コロナの影響がまだそれほど現れていない2019年度でも33.3%と2017年度から3.8ポイントも上昇している。2020年度の月平均可処分所得は43.2万円であり、消費支出には25.9万円、貯蓄に17.3万円が振り向けられている。年間の貯蓄は207.7万円になり、ざっと計算しても2020年度、勤労者世帯だけでも年間60兆円程度が貯蓄されたことになる。

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あらゆる情報媒体が新型コロナ関連のニュースを、大本営のように発表している。感染状況とワクチンに関する報道の垂れ流しである。右から左へ伝えるだけで、主義主張はほとんどない。感染者や死亡の情報がそれほど重要であるならば、物事には必ず表と裏があるのだからワクチンについても両面からの報道が求められるはずだ。日本のコロナ死亡数は累計で1万1,459人(5月15日現在)だが、厚生労働省の『人口動態統計』によれば、昨年の日本全体の死亡は138万4,544人、前年比9,373人減であった。今年2月までの2カ月間の死亡は前年同期よりも1.7%増加しているが、これだけ日々報道し続けているほどの変化ではない。肺炎(95,518人、2019年)や誤嚥性肺炎(40,385人、2019年)の死亡に比べればはるかに少なく、なぜ新型コロナにこれほど大騒ぎするのだろうか。

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緊急事態宣言を出す前に、政府はどれだけ真剣に現状を分析しているのだろうか。4都府県に限定し、期間は17日間という短期間では、大半の人が感染者数を減少させることは無理だと結論付けるだろう。7日、菅首相は宣言の延長を表明したが、期間は5月末までの20日間、新たに愛知県と福岡県が加わり、6都府県に広げた。が、地方での感染拡大がより深刻になっている状況では、6都府県に限定した緊急事態宣言では、感染を阻止することは難しい。

この期に及んでもまだオリンピック開催に拘る。切羽詰まってもまだ優柔不断な判断しかできない。判断を引き延ばせば引き延ばすほどリスクは高まり、コストも膨らむ。なぜこれほど国の判断は遅鈍で稚拙なのだろうか。

第2次世界大戦で広島と長崎に原子爆弾が投下され、壊滅させられて、やっとポツダム宣言を受諾する。これほどまでに徹底的に遣られなければ、決断がつかないという情けない習性は今も生き続けている。

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実体経済を梃入れするためにゼロ金利の長期化を吹聴しているが、ゼロ金利を続けても実体経済を活気づけることはできない。株式や住宅といった金利に敏感な部門を異常に膨らませるだけである。現金給付でさえ、多くは貯蓄されてしまい、消費にはその僅かな部分しか支出されないのだ。なによりも必要なことは、先行き賃金等が増えるという明るい見通しを持てるかどうかなのである。そうでなければ、給付金は単なる誘い水に終わるだろう。米国経済の行方は決して楽観できるものではない。

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政府は23日、3度目の緊急事態宣言を4都府県に出した。期間は今月25日から来月の11日までのたったの17日間である。過去2回の緊急事態の期間に比べれば相当短い。報道によれば、5月17日ごろにIOCのトーマス・バッハ会長の来日が予定されているからだと言われている。2度の緊急事態宣言を振り返ってみても、期間はいずれも延長され、解除されたのは、昨年の第1回目では1カ月半後、今年1月の第2回目は2カ月半近くを要している。こうした経緯から予測すれば、今回の緊急事態宣言が解除されるのは6月下旬から7月上旬ではないだろうか。今回の宣言はオリンピックだけに焦点を当てており、菅首相の唯我独尊、国民の生活や生命よりもオリンピックが大事な姿勢が如実に表れている。

緊急事態宣言を出すとき、菅首相は専門家の意見を聞いた上で判断すると常々言っているが、どうなのだろうか。専門家も現実を直視し、政治家におもねることなく、直言したのであろうか、はなはだ疑問である。

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日米の雇用状況は大きく異なり、雇用だけを取り上げて、経済を比較すると、日本経済が米国経済よりも良い状況にあって当然なのだが、現実は逆なのである。新型コロナの感染者数や死者を比較しても米国は3,108万人、56万人だが、日本は50万人、9,327人と桁違いに少ない。人口に占める感染者数は米国の9.4%に対して日本は0.4%であり、新型コロナの経済への影響も米国がより大きいはずだが、経済は米国がはるかに強いのである。

経済指標からも米国経済の好調ぶりが窺える。3月の総合PMIは日本の48.3に対して米国は59.1、3月のISMも製造業64.7、非製造業63.7と好不況の目安である50を大幅に上回っており、非製造業は統計開始以来なのだ。雇用はまだ回復途上にあるけれども、景況指数は絶好調を示している。この景況感の格差は何に起因しているのだろうか。

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資本主義も独裁主義もITに夢中になっているが、問題はITそのものにあるのだ。すでに述べたことのほかにもITリスクはいくらでもある。長時間、机に向かい、モニターを見つめ、キーボードや画面をスクロールする操作を続けていくことになれば、人間の本来の身体機能や能力は低下していくことになるだろう。すでに産業革命以降、機械に頼ってきたことから、もの作りの分野では昔のようなすぐれたものが作れなくなってしまった。こうした傾向はこれから一層強まるだろう。すぐれたものが作れなくなることは、文明が廃れていくことだ。ことITに関してとらえれば資本主義も独裁主義も同じ境遇にあるといえる。過去を振り返って、今一度、手作業によるもの作りを再構築することが、これからの社会を乗り越えていく上で欠かせない最重要課題だと思う。ITに傾注すればするほどITに魂を奪われ、人間はもぬけの殻になる。

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日銀の『資金循環』によれば、家計の金融資産は2020年、1,828兆円、うち現・預金は1,000兆円と金融資産の54.7%を占める。2000年の家計保有の金融資産は1,401兆円、現・預金は744兆円と金融資産の53.2%を占めているが、2020年の比率が1.5ポイント高く、ゼロ金利下でも現・預金志向が強まっていることを裏付けている。

ゼロ金利という異常な利下げを実施しても、日本の家計の現・預金選好は強まるばかりであり、消費を増やそうとはしない。消費が増加しなければ、物価は上がらない。消費増が期待できなければ、ゼロ金利でも企業の設備投資も限られたものになる。金利と物価の関係は日本でも断たれてしまっているのだ。

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過去20年近く、国債利回りは名目GDPの伸びを上回ることなく、下がり続けているのだ。ゼロ金利とFRBによる大規模な国債購入が国債相場を歪め、実体経済との正常な関係を築くことができなくなった。国債利回りという資本主義経済の中枢であるプライスメカニズムが、機能不全に陥っているのである。

FRBの金融政策は物価とも無関係になっているが、ゼロ金利の長期化によって、国債利回りと実体経済の関係も断ち切るという資本主義経済の本質を葬ろうとしている。こうした反資本主義的な金融政策は米国だけでなく、日欧でも実行されており、世界的なうねりとなっているが、そこからなにか今までとは違う経済社会像が垣間見えるようにも思えるのだが、どうだろうか。

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FRBは金融の崩壊を危惧するあまり、金融政策は後手後手になっている。だが、遅れれば遅れるほど、金融バブルは膨れ上がるが、それでも破裂を恐れて、甘言を弄し、誤魔化す。「銀行や銀行家というものは、本来盲目なのだ。彼らは、どのような事態が近づきつつあるのか理解していない」(ケインズ、「貨幣価値の崩壊が銀行に及ぼした帰結」、1931年8月)。悲しいかな、FRBも日銀も同様に盲目なのである。お題目のように2%の物価目標を唱えたり、際限なく国債を購入し、株式の世界にもどんどん足を踏み入れるのだ。中央銀行こそが金融災害を引き起こす張本人なのである。

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これから数ヵ月後に新型コロナが収束するなどあまりにも非現実的ではないか。海外から多くの人が入ってくれば、抑えきれるものではない。感染拡大は必至となる。感染者が少ない日本に、感染拡大を引き起こすオリンピックは中止しなければならない。

もし、オリンピック開催後、感染が爆発的な勢いで拡大すれば、緊急事態は長期化するだろう。感染による死亡が急増するかもしれない。また、緊急事態宣言が出され、日本経済は疲弊し、その間、失われる経済的損失は計り知れない。これまでの努力が水泡に帰することにも成り兼ねない。国民の生活を守ると言いながら、遣っていることは、危険極まりない状況を作り出す政策なのである。

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株式や国債などはなにも作り出すことはなく、本来の役目は実体経済が十分に機能するための道具でしかない。それが、1990年代から異常に肥大化し、本業である実体経済を凌駕する力をつけてしまった。金融経済は実体経済を支えるのではなく、実体経済を危うくする存在になったのだ。

こうした歪な姿になったのは、金利の調整機能が働かないようにFRBが間違った政策目標を掲げ、これに依怙地になっているからだ。金利が自由に動くことによって、実体経済と金融経済がバランスよく歩んでいくことができるのだが、意図的に、ゼロ金利を長期間続けることによって、金融経済が実体経済を上回る速度で成長し、本末転倒の経済に堕落してしまった。

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日銀がこれからもゼロ金利、国債・株式買いを続け、利回りと株価に影響力を行使できたとしても、米金利と株式に波乱が起これば、日本の国債と株式も大波をうけることは間違いない。特に、東証一部売買代金の約7割を外人が担っているために、米株崩落に伴う外人の雪崩のような売りのなかでは、日銀も為す術がなくなる。35兆円の株式が、瞬く間に半値になるのだ。

共産主義国家のように日銀と公的年金が巨額の株式を保有することは、市場機能を重んじる資本主義経済とは相容れない。国と日銀は資本主義経済を自ら否定しているのだ。また、国や日銀は生き馬の目を抜く博打場で勝ち抜くことはできない。買い手として登場するだけで、売り手にはならないので存在感を示すことができているのだ。だが、永久に持ち続けるわけにもいくまい。いつかは、退場しなければならない。日銀が売りそうだという兆しだけで、株式は激しく動揺することになり、おそらく、売りが売りを呼ぶ展開になるだろう。

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東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言に端を発して、沸き起こった男性中心社会や男女不平等の問題は、日本社会に深く根を下ろし、日本経済の停滞要因のひとつに挙げることができるだろう。女性を補助労働と位置付けて、軽視し、職場での教育などもおざなりしてきた付けが回ってきているのだ。対等に処遇するというごく当たり前のことが、今もって、一部にとどまっているのである。極端に言えば、女性労働は奴隷制度の延長線上にある。

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それにしても、日本人の節約は欧米とは比較にならないほど徹底している。2020年の勤労者世帯(二人以上の世帯)の貯蓄(月平均)は192,828円、前年比26.2%増加し、2015年以降6年連続増である。現行統計が始まった2000年以降では最高であり、最低の2014年比では84.0%増だ。2020年の貯蓄率は38.7%と過去21年間では最高であり、2014年の24.7%を底に6年連続の上昇である(因みに、米国は2020年、16.4%)。

第2次安倍政権が発足しても、貯蓄率が上昇し続けたことは、安倍政権の経済政策を信頼していなかったからではないか。2013年の世帯主収入(男)は40.0万円から3年連続で減少し、2019年には41.8万円まで戻したが、2008年並みなのである。世帯主収入の低迷によって、家計は消費の切り詰めを余儀なくされた。

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米株式の賭博化が加速している。これもIT技術の為せる技といえるだろう。投資アプリの株式取引手数料は「ただ」なので投資アプリ取引業者の顧客は瞬く間に全米に拡大したようだ。FRBのゼロ金利政策により、預金の利息はほとんどなく、株式市場に個人が雪崩れ込んでいる。もともと、値上がり益だけを求めて株式を購入することだけを目的としている参加者にとって、SNSを駆使しながら、相場を形成することのできる面白さが、これまでにない株式の魅力になっているのかもしれない。

投資アプリ株式取引業者は取引無料の傍ら、ヘッジファンドや高速取引業者などには売買取引情報を流すことによって、利益を上げているようだ。こうした相場操縦、インサイダーと見られる事態をSECは放任しているのである。米株式制度は投機を抑えるのではなく、助長していたのである。問題の「Game Stop」の1月14日現在の空売り株・上場株式比率は9割弱と異常な状態にあったところへ、1カ月で株価は約17倍に暴騰、売り手のヘッジファンドの思惑は外れ、巨額の損失が発生した。

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米国社会を分断した原因として経済格差を挙げることができる。所得格差、資産格差が大きくなればなるほど不満、妬み、怒り、恨みなどの気持ちが昂る。こうした感情がさらに激化すれば「過激、無法、暴力」となって社会を分断することになる。歴史を振り返ってみても、貧困層の拡大は、社会の安定を損なう要因であったことは否定できない。

『World Inequality Database』によれば、2019年の米国の所得・資産格差は1930年代、1940年代に遡らなければ見られない歴史的な出来事なのである。所得上位1%が総所得の18.7%を所有しており、1976年の10.2%から8.5ポイントも上昇、1943年以来の所得格差なのである。一方、下位50%は総所得の13.5%しか所有できず、トップ1%を5.2ポイント下回っている。1969年には21.4%を所有していたが、低下し続け、大恐慌後の1934年以来の酷い格差下にある。

資産についても、上位1%の所有率は1978年の21.5%を底に上昇し続け、2015年には36.0%、2019年は幾分低下し、34.9%だが、1941年以来78年ぶりである。いずれにしても米国の所得・資産格差は1980年前後を境に著しく拡大し、第2次大戦以前の大格差社会に戻ってきているのである。

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日銀が上場投信を購入しており、1月10日現在の残高は35兆3,200億円、前年比7兆553億円の増加である(昨年10月20日から1月10日までは6,920億円購入)。個人などの売却を上回る日銀の買いによって、需要が供給を上回る状況下にあるのだ。日銀がこれだけ買えば品薄株はより需給が逼迫し、大幅な値上がりとなり、ひいては日経平均株価を押し上げる。こうした日銀の株買いにゼロ金利が加わり、日銀による日本株のバブル化が進行しているのだ。

昨年末、東証1部の時価総額は666.8兆円、対名目GDP比は125.3%(予測)となり、2017年を抜き、バブルの頂点となった1989年(142.5%)に次ぐ比率になった。東証1部売買代金の対名目GDP比も124.6%と過去最高ではないが、1989年(78.6%)を大きく上回っている。こうした実体経済との比較が1955年以降の65年間で2番目に高い、あるいは過去最高に近い水準にあることは、株式が異常な状態にあることを物語っている。

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