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前週に続き、米株式は過去最高値を更新した(S&P500は昨年末から20.5%上昇したが、TOPIXは5.5%にとどまる)。トランプ大統領の執拗なFRBとパウエルFRB議長への攻撃が利下げを確実なものにしたからだ。後の関心は、利下げ幅が0.25%か0.5%のどちらになるかくらい。0.25%ではいかにもインパクトは小さく、実際に実体経済に及ぼす効果はほとんど期待できないし、0.25%ではトランプ大統領を満足させることはできず、再び、FRBを激しく罵るだろう。FRBはトランプ大統領に迎合し、0.5%の利下げに踏み切るのではないか。

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米株式は過去最高値を更新した。6月の米雇用統計によれば、非農業部門雇用者は前月比22.4万人増と5月の7.2万人増から回復し、大幅な利下げ観測は後退した。だが、米景気関連の指標は、先行きの不透明感を示している。6月の製造業ISMは51.7と3ヵ月連続で低下し、今年1月から8.7%もの低下だ。5月のモノの輸出は前年比-2.2%とマイナス傾向だし、輸入は2.0%とプラスだが、昨年に比べれば大幅にダウンしている。トランプ大統領の株高政策により、高値を更新しているけれども、米国の実体経済に目を向ければ、トランプ効果の持続には疑問だ。

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米株式・債券は次回FOMCでの利下げを織り込んでしまっているため、凪の状態にある。0.5%引き下げられれば相場は反応するだろうが、そこまでの思い切りはFRBにはない。先週、トランプ大統領はFRBを「何をしているのか分かっていない」、パウエルFRB議長を「良い仕事をしていない」と激しく攻撃した。7月の利下げが小幅であれば、トランプ大統領のフラストレーションは高まるだろう。彼には来年の大統領選しか眼中にないからだ。そのためには経済成長を持続させ、株式の最高値更新を続けさせたいのだ。

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FRBは6月18日、19日開催のFOMCで政策金利を2.25%~2.50%に据え置いたが、経済成長を維持するためには適切に行動すると表明し、利下げ行う意志を明確にした。昨年末から示唆していることであり、特別、新味はないけれども、株式・債券・為替は大きく反応した。S&P500は過去最高値を更新、10年債利回りは2017年9月以来の低水準に、ドルは円をはじめ主要通貨に対して値下がりした。円ドル相場は昨年4月20日以来の107円台乗せだ。金融市場はまさに金融相場の様相が濃くなってきた。

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6月3日、金融庁の金融審議会(市場ワーキング・グループ)が報告書「高齢社会における資産形成・管理」を公表した。退職後の生活には公的年金だけでは足りないので、退職前までに2,000万円を貯めておかなければならない。そのためには若いころから株式などに資金を投じ、長期的な資産形成が大事なのだという。退職後の金不足不安を指摘し、「貯蓄から投資」を強調、金融機関の利用を促す報告だ。

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トランプ大統領は舌の根の乾かぬ内に対メキシコ関税の発動の見送りを発表した。狼少年のような人が米大統領の地位についているのだ。このような大統領を下にも置かぬようにもてなす安倍首相、同類だから違和感を覚えることもないのだろう。取り巻きは忖度し、従うだけという情けない内閣だ。開催国としてG20財務相・中央銀行総裁会議を開いても米国に気遣い、「米国の保護貿易主義」に言及はしないという。5月のJ.P.Morgan Global Mfg PMIは49.8と6年7ヵ月ぶりに景気の境を示す50を下回った。なにのための会議なのか。世界経済の最大の問題を問題としない、ナンセンス極まる会議としか言いようがない。

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またしてもトランプ大統領の奇襲ともいえる対メキシコ関税の発表により、米株式は大幅に値下がりし、債券は上昇した。米国経済の不透明感が強まり、米株式下落と国債利回りの低下は円高ドル安をもたらし、日本株も今年1月下旬以来、約4ヵ月ぶりの安値を付けた。原油価格は急落し、CRBは今年1月上旬以来の水準に低下した。米10年債利回りは2017年9月以来1年8ヵ月ぶりの水準に低下し、FFレートを下回り、名目GDPの伸び率の半分以下となった。

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米株安により日本株も軟調である。米中通商摩擦の不透明感が市場を覆っており、NYダウは5週連続安となった。貿易問題は米国の製造業にも悪影響していることが明らかになってきており、株式には手を出しにくくなってきている。4月の米非軍事資本財受注(航空機除く)は前月比0.9%減少、さらに5月の米PMI(製造業)は50.6、前月比2.0ポイントも低下した。米企業の収益環境は厳しさを増している。米中貿易紛争が続いていけば、期待収益率は低下し、設備投資マインドはさらに悪化、米株式は売られるだろう。米10年債利回りは昨年11月から大幅に低下しており、米国経済の減速やそれに伴う利下げを織り込みつつある。WTIの60ドル割れに伴い、CRB指数は今年1月上旬以来の水準に低下した。

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3月の景気先行指数は前年比-3.8%と昨年6月から10ヵ月連続のマイナスだ。一致指数も-3.6%と昨年11月以降5ヵ月連続減だが、昨年8月、9月も前年割れしていたことから判断すれば、昨夏以降、景気は悪化しつつあると言ってかまわないだろう。やはり、トランプ大統領が仕掛けた1弾、2弾の米国の対中関税引き上げが日本経済に悪影響を及ぼしているのだ。中国の製造業の減速によって対中輸出の不振が製造業にあらわれている。すでに第3弾が発動されたが、さらに第4弾もということになれば、間違いなく、日本経済は景気後退に陥るだろう。

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トランプ大統領の対中関税引き上げ発表により、株式は押しなべて下押した。5月10日の主要株価を1週間前と比較すると、最大はハンセンの-5.1%、次が上海総合-4.5%であり、以下日経平均-4.1%、DAX-2.8%、NYダウ-2.1となっている。貿易戦争を仕掛けた米国の株式の値下がり率が、主要国のなかではもっとも低いのである。米国が対中関税を10%から25%に引き上げても、米国経済に及ぼすその影響はそれほどでもないと読んでいるのだろう。完全雇用に近く、物価も安定している米国経済にとっては、300億ドルほどの関税の上乗せは米国経済の規模からすれば、ささいな事なのかもしれない。

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5月1日、FRBはFOMCの声明で政策金利の2.25%~2.50%への据え置きを発表した。これで政策金利は3回連続の据え置きである。今回の声明でも「委員会は忍耐強くなるだろう」との文言を踏襲しており、現状を我慢強く見守る姿勢を貫いている。トランプ大統領にペンス副大統領も加わった利下げ要請への配慮が窺える。

4月の米雇用統計によれば、失業率は3.6%と1969年12月以来、実に49年4ヵ月ぶりである。これほど低い失業率であれば政策金利はすでに相当高い水準に引き上げられていても不思議ではない。それがいまだ2.25%という名目GDP(前年比5.1%)の半分にも満たない低水準に抑えられているのだ。

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S&P500とナスダック総合指数は過去最高値を更新した。昨年末からの値上がり率は17.3%、22.8%である。年初、パウエルFRB議長の「市場のメッセージに注意深く敏感に耳を傾け、政策運営に当たり下振れリスクを考慮するということを申し上げたい」との心強い発言が買い手に安心感を与えたことは間違いない。もし市場に異変が生じても、FRBが再び上昇軌道に乗せてくれるとの期待があるからだ。そう信じている市場関係者も問題だが、それにしてもパウエル議長は愚かな発言をしたものだ。彼らは、FRBが市場を操ることができると本当に思っているのだろうか。米名目GDPの2.4倍の50兆ドル(5,580兆円)もの巨大な市場が暴れ出すと手が付けられなくなることは火を見るよりも明らかである。原発がメルトダウンするのと同じようなものだ。人間が手を出して、鎮めることができるような生易しいものではないのだ。それをあたかも操れるように吹聴するとはどういう了見なのだろうか。FRB議長としては失格である。

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4月12日発表の人口推計(総務省、2018年10月1日現在)によれば、日本の総人口は1億2,644万人、前年比-0.21%、日本人人口は1億2,421万人、同-0.35%である。いずれも8年連続減であり、しかも減少率は拡大している。出生減と死亡増により、日本人人口は前年よりも42.4万人も減少しており、5年前よりも20万人ほど減少幅は拡大しているが、外人の流入増で総人口は26.3万人減に留まっている。65歳以上は総人口の28.1%に上昇する半面、15歳未満は12.2%へと低下し続けている。2015年以降、75歳以上が15歳未満を上回っており、人口構成はますます歪になっている。

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4月5日、トランプ大統領はまたもFRBを攻撃した。トランプ大統領はよほどFRBのこれまでの利上げが気に食わないのだ。なにがなんでもFRBに利下げさせたい。「FRBは本当に景気の足を引っ張った。インフレはまったくない」、「足元、量的緩和であるべきだ」ともいう。これにFRBはどう応えるのだろうか。トランプ大統領とFRBの関係はこれまでになく緊張している。トランプ大統領の息の掛かった理事をFRBに送り込もうとしており、FRBは日銀のように政権の傀儡になろうとしている。

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3月20日、FRBは利上げを中止し、バランスシートの縮小も9月に終えると発表したが、29日、トランプ大統領は「FRBは誤った利上げをせず、愚かな量的引き締めもしていなかったとすれば、GDPの3.0%も株式市場ももっとすごかったはずだ」とFRBを批判した。さらに同日、米国家経済委員会のカドロー委員長は「FRBは直ちに0.5%の利下げを行うことが望ましい、それが大統領の意向だ」とメディアに語った。

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ECBの利上げ先延ばしに続いてFRBも今年、利上げはしないという。よって、米10年債利回りは2.44%と前週比15ベイシスポイント低下し、2017年12月以来、1年3ヵ月ぶりの水準に低下した。ユーロドル3ヵ月物との金利差はさらに開いた。長短金利差が最大のところが概ね景気のピークに当たることから、景気動向への関心が強まり、NYダウは大幅な下げとなった。FRBが利上げをしないことから、対ドルで円は2月8日以来の109円台に上昇した。3月の日本PMIは製造業が引き続き減退していることを示し、日本株は厳しい状況に陥っている。

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冴えない米経済指標の発表などで米10年債利回りは低下しつつある。週末の米10年債利回りは2.59%と昨年11月までの3.0%超から大幅に低下し、政策金利に近づいてきた。過去の10年債利回りと政策金利の関係から言えることは、両者が接近してからは両者ともに低下していくことだ。景気のピークよりも先に、10年債利回りはピークアウトしている。ITバブル景気や金融バブルの時も10年債利回りは景気の山に先行して低下している。経験則からは米国景気も曲がり角に差し掛かっていると言えるだろう。

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週刊マーケットレターは今週はお休みです。

どうぞよろしくお願い致します。

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NYダウは9週続伸で昨年10月に付けた過去最高値を3.4%下回るところまで回復した。日経平均株価も戻してはいるが、昨年10月の高値を12.4%も下回っており、米株に比べて戻りは鈍い。日本株のメインプレイヤーである外人が昨年高値を付けてからほぼ売り越してきているからだ。外人は昨年12月、1兆円超、今年1月5,081億円、2月第2週までは2,025億円、東証1部で売り越している。全国証券取引所ベースでは昨年1年間、外人は5.2兆円の日本株の売り越しだが、地域別では、欧州が3.7兆円、アジア1.1兆円、北米は2,621億円それぞれ売り越している。

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米株式はトランプ大統領の米中通商交渉に期待し、これで8週連続高である。米株高はドル高円安、日本株高へと波及しているが、米株に比べて日本株の戻りは極めて緩やかである。日本株の戻りがたどたどしいのは円安ドル高には振れているが、その勢いが弱いからだ。そして対ドルでユーロが売られていることも円ドル相場に影響している。米10年債利回りは一昨年末よりは高いが、それでも26ベイシスポイント上回っているだけである。日本やドイツの10年債利回りは一昨年を下回っている。このように長期金利が異常な水準で推移しているようでは、そのような通貨は魅力に欠ける。

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円ドル相場の週末値は4週連続して109円台で引けた。為替が動かないことには株式も大きな変化はない。欧州委員会が2019年の経済成長率見通しを1.3%へと秋の見通しから0.6ポイント下方修正したことから、対ドルでユーロは売られ、昨年12月半ばの水準まで下げた。ユーロ経済の核であるドイツの経済指標の悪化により、ドイツ国債(10年物)の利回りが2016年10月以来2年4ヵ月ぶりの低い水準に落ち込んだ。こうしたドイツ国債利回りの低下もユーロ売りに繋がった。

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トランプ大統領の脅しに怖じけたのか、FRBは利上げを封じ込めてしまった。パウエルFRB議長がすでに年初の討論会で披歴したことの繰り返しになるが、FOMCという会議での表明は、株式関係者にとってはより心強いものになった。株式が急落する場面ではFRBの援軍が期待できるからだ。日本では日銀が年6兆円もの株式購入で株式を支えているが、もし株式が異変を起こせば、日銀が買い増しするという期待を株式関係者に抱かせている。資本主義のエンジンともいわれている株式、それは公正公平で完全競争により近い価格形成が行なわれるところだが、世界の主要株式市場である日米では、中央銀行が全面的に株式を支えるという共産主義国家のような振る舞いを平然と取っている。株式は、まさに国家管理の博打場に堕落してしまった。

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週末比、米株が横ばいであったため、円ドル相場も動かず、日本株も僅かな上昇にとどまった。週初、IMFが2019年の世界経済成長率見通しを下方修正したことが、株式関係者に心理的圧迫感を与えた。今年の世界経済は3.5%と昨年10月の予測から0.2ポイント下方修正された。昨年の3.7%(予測)から減速する。米国の見通しは2.5%と変わらず、日本は1.1%と0.2ポイント上方修正されたが、ユーロが0.3ポイント減の1.6%に引き下げられたことが、世界経済見通しの修正に大きく影響した。さらに新興国も4.5%と0.2ポイント下方修正された。だが、米中の貿易戦争が激しくなれば、この見通しもさらに下方修正されることになるだろう。トランプ大統領が政権についている限り、何が起こるかわからない。米国の政治がかつてない経済の不確実性を高めている。

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米中貿易戦争が解決に向かうような報道により、米株は前週比3.0%上昇した。アップルの売上高見通しの下方修正など忘れ去ったかのように。米株高によりドル高円安となり、日本株も値上がりした。市場参加者の変わり身の早さには驚かされる。株式市場は常に美人を求め続ける飽くなき欲望で渦巻いている。また、株式関係者はトランプ大統領の資質など歯牙にもかけない。独裁的だろうが、直情型であろうが、そんなことには無頓着なのだ。ただ、美人を一足早く探し出し、みなが出てきたところで素早く売り抜ける。株式市場とはこんなことの繰り返しなのである。百年前も今も変わりはしない。

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