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政府は23日、3度目の緊急事態宣言を4都府県に出した。期間は今月25日から来月の11日までのたったの17日間である。過去2回の緊急事態の期間に比べれば相当短い。報道によれば、5月17日ごろにIOCのトーマス・バッハ会長の来日が予定されているからだと言われている。2度の緊急事態宣言を振り返ってみても、期間はいずれも延長され、解除されたのは、昨年の第1回目では1カ月半後、今年1月の第2回目は2カ月半近くを要している。こうした経緯から予測すれば、今回の緊急事態宣言が解除されるのは6月下旬から7月上旬ではないだろうか。今回の宣言はオリンピックだけに焦点を当てており、菅首相の唯我独尊、国民の生活や生命よりもオリンピックが大事な姿勢が如実に表れている。

緊急事態宣言を出すとき、菅首相は専門家の意見を聞いた上で判断すると常々言っているが、どうなのだろうか。専門家も現実を直視し、政治家におもねることなく、直言したのであろうか、はなはだ疑問である。

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日米の雇用状況は大きく異なり、雇用だけを取り上げて、経済を比較すると、日本経済が米国経済よりも良い状況にあって当然なのだが、現実は逆なのである。新型コロナの感染者数や死者を比較しても米国は3,108万人、56万人だが、日本は50万人、9,327人と桁違いに少ない。人口に占める感染者数は米国の9.4%に対して日本は0.4%であり、新型コロナの経済への影響も米国がより大きいはずだが、経済は米国がはるかに強いのである。

経済指標からも米国経済の好調ぶりが窺える。3月の総合PMIは日本の48.3に対して米国は59.1、3月のISMも製造業64.7、非製造業63.7と好不況の目安である50を大幅に上回っており、非製造業は統計開始以来なのだ。雇用はまだ回復途上にあるけれども、景況指数は絶好調を示している。この景況感の格差は何に起因しているのだろうか。

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資本主義も独裁主義もITに夢中になっているが、問題はITそのものにあるのだ。すでに述べたことのほかにもITリスクはいくらでもある。長時間、机に向かい、モニターを見つめ、キーボードや画面をスクロールする操作を続けていくことになれば、人間の本来の身体機能や能力は低下していくことになるだろう。すでに産業革命以降、機械に頼ってきたことから、もの作りの分野では昔のようなすぐれたものが作れなくなってしまった。こうした傾向はこれから一層強まるだろう。すぐれたものが作れなくなることは、文明が廃れていくことだ。ことITに関してとらえれば資本主義も独裁主義も同じ境遇にあるといえる。過去を振り返って、今一度、手作業によるもの作りを再構築することが、これからの社会を乗り越えていく上で欠かせない最重要課題だと思う。ITに傾注すればするほどITに魂を奪われ、人間はもぬけの殻になる。

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日銀の『資金循環』によれば、家計の金融資産は2020年、1,828兆円、うち現・預金は1,000兆円と金融資産の54.7%を占める。2000年の家計保有の金融資産は1,401兆円、現・預金は744兆円と金融資産の53.2%を占めているが、2020年の比率が1.5ポイント高く、ゼロ金利下でも現・預金志向が強まっていることを裏付けている。

ゼロ金利という異常な利下げを実施しても、日本の家計の現・預金選好は強まるばかりであり、消費を増やそうとはしない。消費が増加しなければ、物価は上がらない。消費増が期待できなければ、ゼロ金利でも企業の設備投資も限られたものになる。金利と物価の関係は日本でも断たれてしまっているのだ。

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過去20年近く、国債利回りは名目GDPの伸びを上回ることなく、下がり続けているのだ。ゼロ金利とFRBによる大規模な国債購入が国債相場を歪め、実体経済との正常な関係を築くことができなくなった。国債利回りという資本主義経済の中枢であるプライスメカニズムが、機能不全に陥っているのである。

FRBの金融政策は物価とも無関係になっているが、ゼロ金利の長期化によって、国債利回りと実体経済の関係も断ち切るという資本主義経済の本質を葬ろうとしている。こうした反資本主義的な金融政策は米国だけでなく、日欧でも実行されており、世界的なうねりとなっているが、そこからなにか今までとは違う経済社会像が垣間見えるようにも思えるのだが、どうだろうか。

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FRBは金融の崩壊を危惧するあまり、金融政策は後手後手になっている。だが、遅れれば遅れるほど、金融バブルは膨れ上がるが、それでも破裂を恐れて、甘言を弄し、誤魔化す。「銀行や銀行家というものは、本来盲目なのだ。彼らは、どのような事態が近づきつつあるのか理解していない」(ケインズ、「貨幣価値の崩壊が銀行に及ぼした帰結」、1931年8月)。悲しいかな、FRBも日銀も同様に盲目なのである。お題目のように2%の物価目標を唱えたり、際限なく国債を購入し、株式の世界にもどんどん足を踏み入れるのだ。中央銀行こそが金融災害を引き起こす張本人なのである。

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これから数ヵ月後に新型コロナが収束するなどあまりにも非現実的ではないか。海外から多くの人が入ってくれば、抑えきれるものではない。感染拡大は必至となる。感染者が少ない日本に、感染拡大を引き起こすオリンピックは中止しなければならない。

もし、オリンピック開催後、感染が爆発的な勢いで拡大すれば、緊急事態は長期化するだろう。感染による死亡が急増するかもしれない。また、緊急事態宣言が出され、日本経済は疲弊し、その間、失われる経済的損失は計り知れない。これまでの努力が水泡に帰することにも成り兼ねない。国民の生活を守ると言いながら、遣っていることは、危険極まりない状況を作り出す政策なのである。

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株式や国債などはなにも作り出すことはなく、本来の役目は実体経済が十分に機能するための道具でしかない。それが、1990年代から異常に肥大化し、本業である実体経済を凌駕する力をつけてしまった。金融経済は実体経済を支えるのではなく、実体経済を危うくする存在になったのだ。

こうした歪な姿になったのは、金利の調整機能が働かないようにFRBが間違った政策目標を掲げ、これに依怙地になっているからだ。金利が自由に動くことによって、実体経済と金融経済がバランスよく歩んでいくことができるのだが、意図的に、ゼロ金利を長期間続けることによって、金融経済が実体経済を上回る速度で成長し、本末転倒の経済に堕落してしまった。

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日銀がこれからもゼロ金利、国債・株式買いを続け、利回りと株価に影響力を行使できたとしても、米金利と株式に波乱が起これば、日本の国債と株式も大波をうけることは間違いない。特に、東証一部売買代金の約7割を外人が担っているために、米株崩落に伴う外人の雪崩のような売りのなかでは、日銀も為す術がなくなる。35兆円の株式が、瞬く間に半値になるのだ。

共産主義国家のように日銀と公的年金が巨額の株式を保有することは、市場機能を重んじる資本主義経済とは相容れない。国と日銀は資本主義経済を自ら否定しているのだ。また、国や日銀は生き馬の目を抜く博打場で勝ち抜くことはできない。買い手として登場するだけで、売り手にはならないので存在感を示すことができているのだ。だが、永久に持ち続けるわけにもいくまい。いつかは、退場しなければならない。日銀が売りそうだという兆しだけで、株式は激しく動揺することになり、おそらく、売りが売りを呼ぶ展開になるだろう。

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東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言に端を発して、沸き起こった男性中心社会や男女不平等の問題は、日本社会に深く根を下ろし、日本経済の停滞要因のひとつに挙げることができるだろう。女性を補助労働と位置付けて、軽視し、職場での教育などもおざなりしてきた付けが回ってきているのだ。対等に処遇するというごく当たり前のことが、今もって、一部にとどまっているのである。極端に言えば、女性労働は奴隷制度の延長線上にある。

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それにしても、日本人の節約は欧米とは比較にならないほど徹底している。2020年の勤労者世帯(二人以上の世帯)の貯蓄(月平均)は192,828円、前年比26.2%増加し、2015年以降6年連続増である。現行統計が始まった2000年以降では最高であり、最低の2014年比では84.0%増だ。2020年の貯蓄率は38.7%と過去21年間では最高であり、2014年の24.7%を底に6年連続の上昇である(因みに、米国は2020年、16.4%)。

第2次安倍政権が発足しても、貯蓄率が上昇し続けたことは、安倍政権の経済政策を信頼していなかったからではないか。2013年の世帯主収入(男)は40.0万円から3年連続で減少し、2019年には41.8万円まで戻したが、2008年並みなのである。世帯主収入の低迷によって、家計は消費の切り詰めを余儀なくされた。

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米株式の賭博化が加速している。これもIT技術の為せる技といえるだろう。投資アプリの株式取引手数料は「ただ」なので投資アプリ取引業者の顧客は瞬く間に全米に拡大したようだ。FRBのゼロ金利政策により、預金の利息はほとんどなく、株式市場に個人が雪崩れ込んでいる。もともと、値上がり益だけを求めて株式を購入することだけを目的としている参加者にとって、SNSを駆使しながら、相場を形成することのできる面白さが、これまでにない株式の魅力になっているのかもしれない。

投資アプリ株式取引業者は取引無料の傍ら、ヘッジファンドや高速取引業者などには売買取引情報を流すことによって、利益を上げているようだ。こうした相場操縦、インサイダーと見られる事態をSECは放任しているのである。米株式制度は投機を抑えるのではなく、助長していたのである。問題の「Game Stop」の1月14日現在の空売り株・上場株式比率は9割弱と異常な状態にあったところへ、1カ月で株価は約17倍に暴騰、売り手のヘッジファンドの思惑は外れ、巨額の損失が発生した。

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米国社会を分断した原因として経済格差を挙げることができる。所得格差、資産格差が大きくなればなるほど不満、妬み、怒り、恨みなどの気持ちが昂る。こうした感情がさらに激化すれば「過激、無法、暴力」となって社会を分断することになる。歴史を振り返ってみても、貧困層の拡大は、社会の安定を損なう要因であったことは否定できない。

『World Inequality Database』によれば、2019年の米国の所得・資産格差は1930年代、1940年代に遡らなければ見られない歴史的な出来事なのである。所得上位1%が総所得の18.7%を所有しており、1976年の10.2%から8.5ポイントも上昇、1943年以来の所得格差なのである。一方、下位50%は総所得の13.5%しか所有できず、トップ1%を5.2ポイント下回っている。1969年には21.4%を所有していたが、低下し続け、大恐慌後の1934年以来の酷い格差下にある。

資産についても、上位1%の所有率は1978年の21.5%を底に上昇し続け、2015年には36.0%、2019年は幾分低下し、34.9%だが、1941年以来78年ぶりである。いずれにしても米国の所得・資産格差は1980年前後を境に著しく拡大し、第2次大戦以前の大格差社会に戻ってきているのである。

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日銀が上場投信を購入しており、1月10日現在の残高は35兆3,200億円、前年比7兆553億円の増加である(昨年10月20日から1月10日までは6,920億円購入)。個人などの売却を上回る日銀の買いによって、需要が供給を上回る状況下にあるのだ。日銀がこれだけ買えば品薄株はより需給が逼迫し、大幅な値上がりとなり、ひいては日経平均株価を押し上げる。こうした日銀の株買いにゼロ金利が加わり、日銀による日本株のバブル化が進行しているのだ。

昨年末、東証1部の時価総額は666.8兆円、対名目GDP比は125.3%(予測)となり、2017年を抜き、バブルの頂点となった1989年(142.5%)に次ぐ比率になった。東証1部売買代金の対名目GDP比も124.6%と過去最高ではないが、1989年(78.6%)を大きく上回っている。こうした実体経済との比較が1955年以降の65年間で2番目に高い、あるいは過去最高に近い水準にあることは、株式が異常な状態にあることを物語っている。

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これだけ飽食といわれながら、終戦直後の1948年(都市1,916Kcal、農村2,112Kcal)よりもカロリー消費量が少ないことに、いかに理由付けができるのだろうか。労働の大半が第3次産業に置き換わったこと、高齢化の進展などを理由に挙げることができそうだ。が、生活にゆとりがなくなり、食事に掛ける時間が少なくなり、食べ物を十分摂取できなくなったのではないか。新型コロナ禍によって、我々が変えなければならないのは、ゆったりと時間を掛けた食事ではないか。カロリーの減少と出生時の体重には相関関係を読み取ることができる。最も生きるうえで重要な食事を見直すことが、社会を健全にする方法なのである。

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物価が上がることは需要が強く、売上も伸びており、物価が軟調なときには、需要が弱く、売上も低迷しているからだ。こうした関係がいまは成立していないのである。2018年初をピークに物価上昇率は低下しつつあるにもかかわらず、株価が上昇しているのだ。ゼロ金利の持続、過去最高値を更新している米株、それに伴う外人買い、さらに日銀の上場投信買い等の要因によって、デフレ下での株高現象が起こっている。だが、デフレ下では企業収益の悪化は必至だ。コロナ禍の収束に数年を要することになれば、企業の体力も落ち込み、収益は大幅に収縮するだろう。そのような見通しが徐々に拡大していくことになれば、投機家たには、手のひらを返したような行動を取らないと言い切ることはできない。常に、株式は期待という不確かな要因を頼りにしており、綱渡りをしているようなものなのである。来年も綱渡りが続くのかどうか、目を凝らしていきたい。

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1980年代の金融政策の失敗を日銀が真剣に反省しなかったことが、再びバブルを引き起こしているのだ。しかも、当時の水準に輪をかけて低いゼロ金利を延々と続けている。ゼロ金利だけでなく、大規模な国債買いにより、国債もバブル化しているのだ。さらに、諸外国では手を出していない、禁じ手とされている株式購入にのめり込んでいる。このように何でもありの政策によって、株式だけでなく国債や商業地などもバブル化しているのである。

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第2次安倍内閣発足の2012年度から2019年度までの8年間の累計配当金と社内留保は161.1兆円、200.9兆円と異常な儲けぶりを示している。現在の預金利率は普通預金で年0.001%、定期でも年0.003%とゼロに近く、利息はなきに等しい。それに対して、2019年度の配当金は24.3兆円、国民一人当たり20万円弱となり、先般の給付金の2倍の規模なのだ。もし、2019年度までの8年間の累計配当金を国民に分配すれば、一人128万円になり、消費を刺激することになるだろう。だが、これだけの巨額配当金は一部の富裕層の懐を潤すだけで、庶民には縁がないのである。だから、富裕層の資産はますます豊かになるが、消費支出の拡大を伴わないので経済には寄与しない。寄与するのは株式などのマネーゲームの世界だろう。ゼロ金利の罪は重い。

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11月24日、NYダウは3万ドルを突破した。2017年1月25日に2万ドルを超えから3年10カ月の短期間で3万ドルの大台に乗せた。1万ドルから2万ドル超には約18年を要している。ワクチンが期待通り効果を発揮し、経済が正常化すると仮定しても、これから米国経済が過去10年間よりも高い成長を遂げることは難しい。ナスダック総合は昨年末を36.0%も上回っており、経済的要因で米株の高騰を説明することは不可能だ。FRBのゼロ金利が米株を狂わせてしまったのである。

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第2次安倍政権が発足する2012年9月と2020年9月の一般労働者現金給与総額を比較すると、今年9月が2012年9月を3.2%上回っている。8年間で3.2%、年率では0.4%にすぎない。調査産業計では3.2%増だが、16業種中2業種は8年前を下回っており、業種別最低の「宿泊、飲食サービス業」は3.7%減だ。現金給与総額トップの「電気、ガス」は3.6%増加していることから、最高と最低の格差は2012年9月の1.69倍から2020年9月の1.82倍に拡大した。こうした大きな給与の格差が現存する限り、格差に相応しい支援が必要なことは言うまでもない。

所得税・住民税の最高税率を1970年代以降引き下げる半面、1989年の消費税導入とその引き上げ、さらに1985年の労働者派遣法の成立などによる意図的格差拡大政策が今日の所得・資産格差をもたらし、多くの国民を、消費支出を抑制しなければ生活できない経済状態へ追い込んでいるのだ。こうした格差拡大を是正するには、所得税、消費税さらに法人税を1970年代、1980年代の水準に引き上げていく方法しかないだろう。

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世界的に新型コロナ感染者数が過去最多を更新しつつあるなかで、S&P500などの米株価は過去最高値を更新している。感染を防ぐワクチンの開発が報じられたことによって、一斉に株式買いに動いたからだ。だが、さまざまに変異しているウイルスに有効なワクチンが1年にも満たない短期間で開発できるのだろうか。株式はあまりに先走りすぎである。

もし1年後に、有効なワクチンが接種できるのであれば、世界経済の回復は確実となり、今から債券利回りは上昇しておかしくないはずだ。が、米債券利回りは週間、8ベイシスポイントの上昇にとどまっている。日欧の債券相場も、株式が燥ぐような様子は認められない。株式も債券も共に、経済の先行きを睨みながら値付けが行なわれるのだが、開発中のワクチンに対する評価は株式と債券では相当異なる。一体、どちらが正しい判断をしているのだろうか。

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バイデン氏が勝利できたのは新型コロナにより、経済が急降下し、失業率が跳ね上がったからだ。低下したとはいえ、10月は6.9%と高水準であり、高失業率のときは現職が負けるケースが多い。新型コロナの発生がなく、経済と雇用がこれほど悪くなかったならば、トランプ大統領が2期目も継続していたであろう。新型コロナの人間界への出現がバイデン大統領を誕生させたことは間違いない。成功するには運根鈍が重要だが、バイデン氏は特に運に恵まれていた。バイデン大統領誕生は、新型コロナからの米国民への贈り物とも言える。

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ゼロ金利やトランプ大統領の強力な支援がバブルと言えるまで株式を押し上げてきたが、こうした最強の株式振付師も舞台から去ろうとしている。2019年までの10年間でNYダウが年間で下落したのは、2015年と2018年の2回であり、しかも下落率は2.2%、5.6%といずれも小幅である。その結果、2019年末と2009年末を比較すると2.73倍となっており、名目GDPの1.48倍をはるかに上回っている。株式至上政策遂行の成果と言えるが、こうした無謀な政策によって持ち上げられた株式は早晩、崩れ落ちるだろう。

FRBは株式を軟着陸させようと策を練るだろうが、最後は日銀のように、株式を直接購入する方法しかない。そこまで行けば、米資本主義の終焉となる。FRBによる株式購入の影響力は日銀の比ではなく、中央銀行の株式介入を推し進めることになるかもしれない。

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利回りの上昇の最大の痛手を被るのはFRBや日銀だ。今年6月末、日銀の国債保有額は521兆円、保有比率は44.5%である(10月20日現在での保有額は531兆円なので保有比率は幾分上昇)。日銀保有の10年債利回りが0%から1%、FRB保有の同債券が1%から2%に上がれば、値下がりによる損失額はそれぞれ10%程度(すべて10年債と仮定)となり、FRBと日銀で計約100兆円が吹き飛ぶことになる。バランスシートは著しく毀損し、FRBや日銀に預けた金融機関の資金などが焦げ付くことになる。いつまでも債券を買い続けることもできず、さりとて債券購入額の縮小や停止となれば、自らの首を絞めるというジレンマに陥っている。

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