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トランプ大統領は舌の根の乾かぬ内に対メキシコ関税の発動の見送りを発表した。狼少年のような人が米大統領の地位についているのだ。このような大統領を下にも置かぬようにもてなす安倍首相、同類だから違和感を覚えることもないのだろう。取り巻きは忖度し、従うだけという情けない内閣だ。開催国としてG20財務相・中央銀行総裁会議を開いても米国に気遣い、「米国の保護貿易主義」に言及はしないという。5月のJ.P.Morgan Global Mfg PMIは49.8と6年7ヵ月ぶりに景気の境を示す50を下回った。なにのための会議なのか。世界経済の最大の問題を問題としない、ナンセンス極まる会議としか言いようがない。

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またしてもトランプ大統領の奇襲ともいえる対メキシコ関税の発表により、米株式は大幅に値下がりし、債券は上昇した。米国経済の不透明感が強まり、米株式下落と国債利回りの低下は円高ドル安をもたらし、日本株も今年1月下旬以来、約4ヵ月ぶりの安値を付けた。原油価格は急落し、CRBは今年1月上旬以来の水準に低下した。米10年債利回りは2017年9月以来1年8ヵ月ぶりの水準に低下し、FFレートを下回り、名目GDPの伸び率の半分以下となった。

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米株安により日本株も軟調である。米中通商摩擦の不透明感が市場を覆っており、NYダウは5週連続安となった。貿易問題は米国の製造業にも悪影響していることが明らかになってきており、株式には手を出しにくくなってきている。4月の米非軍事資本財受注(航空機除く)は前月比0.9%減少、さらに5月の米PMI(製造業)は50.6、前月比2.0ポイントも低下した。米企業の収益環境は厳しさを増している。米中貿易紛争が続いていけば、期待収益率は低下し、設備投資マインドはさらに悪化、米株式は売られるだろう。米10年債利回りは昨年11月から大幅に低下しており、米国経済の減速やそれに伴う利下げを織り込みつつある。WTIの60ドル割れに伴い、CRB指数は今年1月上旬以来の水準に低下した。

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3月の景気先行指数は前年比-3.8%と昨年6月から10ヵ月連続のマイナスだ。一致指数も-3.6%と昨年11月以降5ヵ月連続減だが、昨年8月、9月も前年割れしていたことから判断すれば、昨夏以降、景気は悪化しつつあると言ってかまわないだろう。やはり、トランプ大統領が仕掛けた1弾、2弾の米国の対中関税引き上げが日本経済に悪影響を及ぼしているのだ。中国の製造業の減速によって対中輸出の不振が製造業にあらわれている。すでに第3弾が発動されたが、さらに第4弾もということになれば、間違いなく、日本経済は景気後退に陥るだろう。

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トランプ大統領の対中関税引き上げ発表により、株式は押しなべて下押した。5月10日の主要株価を1週間前と比較すると、最大はハンセンの-5.1%、次が上海総合-4.5%であり、以下日経平均-4.1%、DAX-2.8%、NYダウ-2.1となっている。貿易戦争を仕掛けた米国の株式の値下がり率が、主要国のなかではもっとも低いのである。米国が対中関税を10%から25%に引き上げても、米国経済に及ぼすその影響はそれほどでもないと読んでいるのだろう。完全雇用に近く、物価も安定している米国経済にとっては、300億ドルほどの関税の上乗せは米国経済の規模からすれば、ささいな事なのかもしれない。

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5月1日、FRBはFOMCの声明で政策金利の2.25%~2.50%への据え置きを発表した。これで政策金利は3回連続の据え置きである。今回の声明でも「委員会は忍耐強くなるだろう」との文言を踏襲しており、現状を我慢強く見守る姿勢を貫いている。トランプ大統領にペンス副大統領も加わった利下げ要請への配慮が窺える。

4月の米雇用統計によれば、失業率は3.6%と1969年12月以来、実に49年4ヵ月ぶりである。これほど低い失業率であれば政策金利はすでに相当高い水準に引き上げられていても不思議ではない。それがいまだ2.25%という名目GDP(前年比5.1%)の半分にも満たない低水準に抑えられているのだ。

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S&P500とナスダック総合指数は過去最高値を更新した。昨年末からの値上がり率は17.3%、22.8%である。年初、パウエルFRB議長の「市場のメッセージに注意深く敏感に耳を傾け、政策運営に当たり下振れリスクを考慮するということを申し上げたい」との心強い発言が買い手に安心感を与えたことは間違いない。もし市場に異変が生じても、FRBが再び上昇軌道に乗せてくれるとの期待があるからだ。そう信じている市場関係者も問題だが、それにしてもパウエル議長は愚かな発言をしたものだ。彼らは、FRBが市場を操ることができると本当に思っているのだろうか。米名目GDPの2.4倍の50兆ドル(5,580兆円)もの巨大な市場が暴れ出すと手が付けられなくなることは火を見るよりも明らかである。原発がメルトダウンするのと同じようなものだ。人間が手を出して、鎮めることができるような生易しいものではないのだ。それをあたかも操れるように吹聴するとはどういう了見なのだろうか。FRB議長としては失格である。

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4月12日発表の人口推計(総務省、2018年10月1日現在)によれば、日本の総人口は1億2,644万人、前年比-0.21%、日本人人口は1億2,421万人、同-0.35%である。いずれも8年連続減であり、しかも減少率は拡大している。出生減と死亡増により、日本人人口は前年よりも42.4万人も減少しており、5年前よりも20万人ほど減少幅は拡大しているが、外人の流入増で総人口は26.3万人減に留まっている。65歳以上は総人口の28.1%に上昇する半面、15歳未満は12.2%へと低下し続けている。2015年以降、75歳以上が15歳未満を上回っており、人口構成はますます歪になっている。

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4月5日、トランプ大統領はまたもFRBを攻撃した。トランプ大統領はよほどFRBのこれまでの利上げが気に食わないのだ。なにがなんでもFRBに利下げさせたい。「FRBは本当に景気の足を引っ張った。インフレはまったくない」、「足元、量的緩和であるべきだ」ともいう。これにFRBはどう応えるのだろうか。トランプ大統領とFRBの関係はこれまでになく緊張している。トランプ大統領の息の掛かった理事をFRBに送り込もうとしており、FRBは日銀のように政権の傀儡になろうとしている。

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3月20日、FRBは利上げを中止し、バランスシートの縮小も9月に終えると発表したが、29日、トランプ大統領は「FRBは誤った利上げをせず、愚かな量的引き締めもしていなかったとすれば、GDPの3.0%も株式市場ももっとすごかったはずだ」とFRBを批判した。さらに同日、米国家経済委員会のカドロー委員長は「FRBは直ちに0.5%の利下げを行うことが望ましい、それが大統領の意向だ」とメディアに語った。

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ECBの利上げ先延ばしに続いてFRBも今年、利上げはしないという。よって、米10年債利回りは2.44%と前週比15ベイシスポイント低下し、2017年12月以来、1年3ヵ月ぶりの水準に低下した。ユーロドル3ヵ月物との金利差はさらに開いた。長短金利差が最大のところが概ね景気のピークに当たることから、景気動向への関心が強まり、NYダウは大幅な下げとなった。FRBが利上げをしないことから、対ドルで円は2月8日以来の109円台に上昇した。3月の日本PMIは製造業が引き続き減退していることを示し、日本株は厳しい状況に陥っている。

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冴えない米経済指標の発表などで米10年債利回りは低下しつつある。週末の米10年債利回りは2.59%と昨年11月までの3.0%超から大幅に低下し、政策金利に近づいてきた。過去の10年債利回りと政策金利の関係から言えることは、両者が接近してからは両者ともに低下していくことだ。景気のピークよりも先に、10年債利回りはピークアウトしている。ITバブル景気や金融バブルの時も10年債利回りは景気の山に先行して低下している。経験則からは米国景気も曲がり角に差し掛かっていると言えるだろう。

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週刊マーケットレターは今週はお休みです。

どうぞよろしくお願い致します。

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NYダウは9週続伸で昨年10月に付けた過去最高値を3.4%下回るところまで回復した。日経平均株価も戻してはいるが、昨年10月の高値を12.4%も下回っており、米株に比べて戻りは鈍い。日本株のメインプレイヤーである外人が昨年高値を付けてからほぼ売り越してきているからだ。外人は昨年12月、1兆円超、今年1月5,081億円、2月第2週までは2,025億円、東証1部で売り越している。全国証券取引所ベースでは昨年1年間、外人は5.2兆円の日本株の売り越しだが、地域別では、欧州が3.7兆円、アジア1.1兆円、北米は2,621億円それぞれ売り越している。

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米株式はトランプ大統領の米中通商交渉に期待し、これで8週連続高である。米株高はドル高円安、日本株高へと波及しているが、米株に比べて日本株の戻りは極めて緩やかである。日本株の戻りがたどたどしいのは円安ドル高には振れているが、その勢いが弱いからだ。そして対ドルでユーロが売られていることも円ドル相場に影響している。米10年債利回りは一昨年末よりは高いが、それでも26ベイシスポイント上回っているだけである。日本やドイツの10年債利回りは一昨年を下回っている。このように長期金利が異常な水準で推移しているようでは、そのような通貨は魅力に欠ける。

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円ドル相場の週末値は4週連続して109円台で引けた。為替が動かないことには株式も大きな変化はない。欧州委員会が2019年の経済成長率見通しを1.3%へと秋の見通しから0.6ポイント下方修正したことから、対ドルでユーロは売られ、昨年12月半ばの水準まで下げた。ユーロ経済の核であるドイツの経済指標の悪化により、ドイツ国債(10年物)の利回りが2016年10月以来2年4ヵ月ぶりの低い水準に落ち込んだ。こうしたドイツ国債利回りの低下もユーロ売りに繋がった。

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トランプ大統領の脅しに怖じけたのか、FRBは利上げを封じ込めてしまった。パウエルFRB議長がすでに年初の討論会で披歴したことの繰り返しになるが、FOMCという会議での表明は、株式関係者にとってはより心強いものになった。株式が急落する場面ではFRBの援軍が期待できるからだ。日本では日銀が年6兆円もの株式購入で株式を支えているが、もし株式が異変を起こせば、日銀が買い増しするという期待を株式関係者に抱かせている。資本主義のエンジンともいわれている株式、それは公正公平で完全競争により近い価格形成が行なわれるところだが、世界の主要株式市場である日米では、中央銀行が全面的に株式を支えるという共産主義国家のような振る舞いを平然と取っている。株式は、まさに国家管理の博打場に堕落してしまった。

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週末比、米株が横ばいであったため、円ドル相場も動かず、日本株も僅かな上昇にとどまった。週初、IMFが2019年の世界経済成長率見通しを下方修正したことが、株式関係者に心理的圧迫感を与えた。今年の世界経済は3.5%と昨年10月の予測から0.2ポイント下方修正された。昨年の3.7%(予測)から減速する。米国の見通しは2.5%と変わらず、日本は1.1%と0.2ポイント上方修正されたが、ユーロが0.3ポイント減の1.6%に引き下げられたことが、世界経済見通しの修正に大きく影響した。さらに新興国も4.5%と0.2ポイント下方修正された。だが、米中の貿易戦争が激しくなれば、この見通しもさらに下方修正されることになるだろう。トランプ大統領が政権についている限り、何が起こるかわからない。米国の政治がかつてない経済の不確実性を高めている。

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米中貿易戦争が解決に向かうような報道により、米株は前週比3.0%上昇した。アップルの売上高見通しの下方修正など忘れ去ったかのように。米株高によりドル高円安となり、日本株も値上がりした。市場参加者の変わり身の早さには驚かされる。株式市場は常に美人を求め続ける飽くなき欲望で渦巻いている。また、株式関係者はトランプ大統領の資質など歯牙にもかけない。独裁的だろうが、直情型であろうが、そんなことには無頓着なのだ。ただ、美人を一足早く探し出し、みなが出てきたところで素早く売り抜ける。株式市場とはこんなことの繰り返しなのである。百年前も今も変わりはしない。

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昨年暮れの米株急落やパウエルFRB議長の発言によって、対ドルで円は一時104円台まで急騰した。昨年12月半ばまでの113円台に比較すれば、先週末比でも約5円の円高だ。この急激な円高ドル安はさらに進行するのか、あるいは逆の円安ドル高に向かっていくのか、株価の動向にも大いに関係するだけに、為替の動きに目を離すわけにはいかない。

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1月2日、アップルの10-12月期売上高見通しの下方修正によって米株式は急落したが、4日にはイエレン、バーナンキ両元議長との討論会で、パウエルFRB議長は「常に政策スタンスを大幅に変更する用意がある」、「われわれは市場のメッセージに注意深く敏感に耳を傾け、政策運営に当たり下振れリスクを考慮するということを申し上げたい」と述べ、株式市場関係者に安心感を与え、NYダウは先月18日以来の水準に上昇した。

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株式市場参加者はFRBに過度な期待を抱いていたようだ。来年の利上げはないかもしれないという。が、蓋を開けてみれば、2回の利上げ計画が掲げられていた。19日公表のFOMCの声明によれば「いくらかのさらなる段階的な」利上げが必要だ、とうたわれていた。期待しすぎていたため、NYダウは19日から3日連続の大幅安となり、累計で1,230ドル下落した。米株の急落から債券が選好され、米10年債利回りは3ヵ月物の短期金利を下回った。同時に、ドル売り円買いが強まり、10月下旬以来の1ドル=111円台に上昇した。

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世界経済は減速しつつある。特に、減速が著しいのは欧州だ。12月のユーロ総合PMIは51.3、前月比1.4ポイント低下し、約4年ぶりの低水準である。ドイツは52.2だが、フランスは49.3と50.0を割り込み経済収縮の領域に入った。イギリスのEU離脱問題に米中の貿易戦争の余波を受け、欧州経済は試練にさらされている。11月の中国の小売売上高は前年比8.1%と2003年5月以来の低い伸びとなったと国家統計局は発表したが、実際はもっと悪いのだろう。12月の日本PMI(製造業)は前月比0.2ポイント増の52.4と今のところ横ばいを維持している。米国は製造業の伸びが鈍化しており、やはり、中国との貿易戦争の影響があらわれているのではないだろうか。

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米10年債利回りは一段低下し、3ヵ月物短期金利に接近してきた。来年、米国経済は減速すると見立て、将来の値上がりを見込んで国債の購入を積極化しているからだ。米債を購入する半面、米株を売るという姿勢を強めている。債券高株安は続くだろう。米債利回りの低下によって、ドルは安くなっている。ドル安により商品相場はやや戻したが、世界経済の減速には抗えず、軟調に推移し続けるだろう。OPEC総会で減産が決まったが、複雑な内部事情などから、減産が実行され価格に影響をおよぼすことができるかというと疑問だ。

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