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NYダウは過去最高値近辺まで上昇し、国債利回りは最高最低を更新した。企業収益の前年割れや設備投資の不振など米実体経済はもたついているにもかかわらず、金融経済は活況を呈している。FRBの利上げが完全に頓挫したことが、このような齟齬を引き起こしているのだ。米株式と国債相場は完全に金融政策によって形成された砂上の楼閣だ。砂上の楼閣を維持するには現状の金融政策を踏襲するしかない。だが、今の金融政策を続けていけば、実体経済と金融経済の乖離はますます大きくなり、最後にはバブル崩壊という惨事に行き着くだろう。

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イギリスのEU離脱が決まってから、FRBの利上げ観測は霧散してしまった。その結果、商品市況は勢いを取り戻しているが、なかでも金と銀は昨年末比26.3%、41.9%それぞれ上昇している。国債利回りも低下し続けており、主要国では過去最低を更新した。週末値では米国の利回りも約4年ぶりに最低を更新、まさに異常な債券相場となっている。これら商品や国債相場の高騰は日米欧の金融政策により、人為的に作り出されているものだ。

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6月23日、イギリスのEU残留見通しから円安ドル高にぶれていたため、24日、離脱が濃厚になるにつれて、円が急伸し、一時1ドル=99.00円まで上昇した。その後は行き過ぎの反動があらわれ102円台で取引を終えた。それでも前日から約4円も上昇したのだ。相場はまさにジェットコースターのように激しく揺れた。

24日の1日でポンドの対ドル相場は8.1%も下落した。一時、31年ぶりの安値を付けたが、終盤に戻した。ただ、ポンドが急落したわりには、英株式(FTSE100)の下落率は3.1%とNYダウ(3.4%)よりも小さかった。一方、24日の日経平均株価は7.9%も沈み、DAXは6.8%も急落するなど、離脱国をはるかに上回る下げに見舞われた。昨年末比、日経平均株価とDAXは21.4%、11.0%それぞれ下落しているが、FTSE100は1.7%しか下回っていない。

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6月15日、金融政策の現状維持と「運用姿勢は引き続き緩和的」という内容のFOMC声明を発表した翌日の16日、日銀も現状維持を打ち出した。日銀の金融政策発表後、円ドル相場は1ドル=106円台から103円台に円は急騰した。同時に日経平均株価は急落した。発表を待ち伏せしていた投機筋が仕掛け、それに数多の投機業者が追随したのだろう。2012年秋以降の円安ドル高は2015年7月まで3年弱続いた。が、今や完全に、基調は円高ドル安である。まだ、円高ドル安は1年ほどしか続いていない。過去約3年の円売りドル買いによるドルの持ち高は膨れており、ドル売り円買いの弾は十分にある。しかも、フローの日本の経常黒字は拡大しており、実需のドル売り円買いが増加している。投機的にも実需の側面からも円買いドル売りは発生しやすくなっているといえる。

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イギリスの世論調査でEU離脱が留残を上回ったことから、ポンドやユーロは売られ、欧州株式は崩れた。円ドル相場は大きく変化しなかったため、円ユーロ相場は週末、1ユーロ=120.3円と2013年1月以来3年半ぶりの円高ユーロ安となった。円ドル相場は106円台を2週連続で維持しており、一段の円高に向かいそうな気配である。1-3月期の実質GDPの前年比伸び率は米国の2.0%が最も高く、次がユーロ圏の1.7%、日本は0.1%と最も低い。経済が弱いという観点に立てば、円は売られてもよいが、物価格差や経常黒字の拡大などで円は強含んでいる。貿易収支の改善により、4月の経常黒字額は1.87兆円と4月としては、2007年以来9年ぶりの高水準だ。5月の企業物価指数は前年比4.2%減と前月と同じマイナス幅であったが、消費者物価に一段の下方圧力を掛けるだろう。

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5月の米雇用統計が予想を大幅に下回り、円は急騰した。3月の経常収支が3兆円近くに達し、4月の日本の消費者物価指数(総合)が前年比-0.3%と日米の物価格差が拡大していることなどから、基本的には円高ドル安の流れにあった。そこに、非農業部門雇用者が前月比3.8万人増、しかも3月、4月も下方修正され、6月利上げが後退、円高に火が付いた。

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G7首脳会議開催の意義などあるのだろうかという印象を今回強く思った。親睦会のようなものなのだろうか。現実の課題に対して積極的に取り組む姿勢などないからだ。みなそれぞれの国の事情があり、合意を得ることは難しく、難問は当たり障りのない宣言で逃れる。議長を務めた安倍首相は、世界経済を自分に都合よく解釈し、消費税引き上げ延期の理由づくりに精を出した。議長は全体の取りまとめ役だが、取りまとめるのではなく、ごり押ししたのである。議長がこのような姿勢で臨んだため、結局、なにの成果も得ることはなかった。

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今年1-3月期のGDPが公表されたが、名目GDPは前年比0.8%と2四半期連続の成長率低下である。しかも閏年により前年よりも1日多かったが、この伸びなのである。閏年により前年比1%程度上乗せされているので、実際の成長率は前年をやや下回ることになり、実際はマイナスなのだ。閏年であったにもかかわらず、民間最終消費支出は前年比1.0%減と2四半期連続のマイナスであった。消費税率引き上げ後の2014年7-9月期から2015年4-6月期まで4四半期連続の前年割れとなり、7-9月期はプラスに転じたものの再びマイナスに陥り、消費不況は深刻な状態にある。

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日本経済が金融政策では良くならないのは、構造的要因が強く働き消費の低迷が続いているからだ。だが、構造的要因によって消費支出が増加しないだけでなく、これには分配が大きく影響している。日本には企業規模別や男女間の賃金格差がもともとあったけれども、労働者派遣法(1986年)が成立してからは、正規・非正規の賃金格差が著しく開き、低賃金労働者の割合が高まった。さらに、分配の本質といえる企業と労働者の分け前も消費不振を深刻にしている。企業と労働者の分配と労働者間の分配という2重の問題が、日本の消費をいつまでも弱い状態にしているのである。

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岡山の備前から帰ってきたが、円ドル相場や日経平均株価は1ヵ月前に比べて大きな変化はない。変わったところは商品相場であり、WTIの前月比18.3%増などにより、CRB指数は前月比7.8%も上昇した。市場参加者が、米国経済の足取りが依然重く、FRBが利上げになかなか踏み切れないと予想しているからだ。商品相場のマネーゲームにまた火が付いた。NYダウ(4月20日)と日経平均株価(4月22日)は18,000ドル、17,500円をそれぞれ突破したが、超低金利持続だけでは高値を維持することはできない。特に、日本株は米株に追随しただけであり、空疎な値上がりだった。だから下げは速い。

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週刊マーケットレターは執筆者の古備前の復活プロジェクトのために一ヶ月程お休みさせていただきます。

どうぞよろしくお願い致します。

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イエレンFRB議長の金融調整は慎重に進めることが妥当だという講演によって、ドルは売られ、NYダウは年初来高値を更新した。3月の非農業部門雇用者が前月比21.5万人増と拡大し続けていることも、株価を押し上げた。ゼロに近い超低金利下で雇用も改善していれば、株式にとっては好環境である。さらに物価も2月PCEは前年比1.0%と安定しており、米国経済はかなり理想的な状態にあるといってよいだろう。ただ、2009年6月(米景気の谷)以降の株式や住宅の伸びは、雇用や個人消費支出を上回っており、金融経済が膨らんでいることは明らかである。

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2月の消費者物価指数(総合)は前年比0.3%上昇した。生鮮食品を除けば横ばいである。3月の東京都区部消費者物価指数(総合)は前年比0.1%、生鮮食品を除くは同0.3%それぞれ下落した。2015年度の東京都区部消費者物価指数(総合)は前年比0.1%と前年度の2.6%から大幅にダウンした。食品・エネルギーを除くでも2014年度の1.9%から2015年度には0.4%に低下した。総合指数は3年連続の増加となり、2008年度までの3年連続増以来である。

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FOMC後の声明等により、利上げのペースが緩やかになることが示され、ドル安が進行した。週末、円は111円台で引け、週間で2円以上値上がりし、2014年10月以来の円高ドル安となった。ユーロに対してもドルは売られ、米政策金利の現状維持から、主要国の長短金利は低下した。超低金利政策の継続から米株式は上昇し、昨年末値を上回った。また、ドル安によって、商品市況は回復し、CRB指数も昨年末値を超えた。ただ、日本株は円高進行から2週連続安となった。

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東日本大震災から5年過ぎた。今年度までの集中復興期間に26.3兆円もの巨費が投じられた。平均すれば毎年5兆円超の資金が支出されたということだ。2016年度一般会計の公共事業関係費は約6兆円だから、集中復興期間に投じられた資金がいかに巨額であったかがわかる。これだけの巨費が投じられたのだから、復旧は進み、経済はかなり良くなったのではないかと思われるのではないだろうか。だが、2011年と2015年の実質GDPを比較すると、3.6%増の18.2兆円しか増加していない。公的部門は5.5%増の6.5兆円、民需は3.9%増の14.9兆円にとどまっている。

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世界的に株式は買い戻されているが、危うい相場から抜け出してはいない。原油価格が35ドル台まで回復したが、さらに上昇するのは難しいだろう。世界経済の動きは一段鈍くなってきているからだ。雇用統計などから米国経済は悪くはないという見方もあるが、基本的には米国経済の足取りは重く不安定な状態にある。1月の米貿易統計によれば、財の輸出は前年比-10.8%と4ヵ月連続の2桁減、輸入も-8.3%とマイナスが続いており、世界経済や米国の需要は低調であることが窺える。サービスを含む米輸入のピークは2014年12月であり、すでに約1年減少傾向にある。

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日銀はホームページに相変わらず「2%の物価安定の目標」を掲げている。2%がなぜ「物価安定」なのだろうか。1月の消費者物価指数が公表されたが、総合指数と生鮮食品を除く指数は前年と同じであった。きわめて安定しているといえる。日銀は超安定している物価環境を崩したいのである。が、日銀が需要や供給をコントロールすることは不可能であるから、物価を引き上げたくても引き上げることはできないのである。需給を思いのまま操ることなど社会主義経済でもできないことだ。ましてや資本主義経済で需給を意図的に動かすなどと考えること自体、思い上がりというものだ。

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日本の内需は弱く、外需も不振であり、景気は後退している。1月の輸出は前年比12.9%も減少し、輸出で支えられていた、企業業績の雲行きは怪しくなってきた。1月の電力需要によれば、総販売電力は前年比8.7%も減少し、電力は大幅な超過供給の状況下にある。大口電力需要も3.2%減少しており、製造業の生産減は顕著である。10-12月期の実質GDPは前期比0.4%減と2四半期ぶりのマイナスになったが、今年1-3月期も前期比減となりそうだ。このような経済状態をみれば、急落したからといって、日本株に買いを入れる主体は登場しないだろう。為替についても経常黒字の拡大に加えて、米国が日本よりも消費者物価上昇率が大きく、日米物価格差が拡大しており、円高ドル安を正当化している。年度末に向けて円ドル相場が一段の円高ドル安に進行することになれば、日本株は激しい売りを浴びることになるだろう。

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円の急騰、株の急落、まさに投機業者は我先に市場から逃れようとしている。投機業者に円買い・日本株売りの引き金を引かせたのは、黒田総裁のマイナス金利導入である。マイナス金利まで持ち出せば、これを上回る政策は出てこない。規模を拡大するのが関の山だ。これまでの日銀の政策が実体経済にそれなりの影響を与えていたならば、投機業者はさらに円売り・株買いに賭けただろうが、実体経済にみるべきところはない。「できることは何でもやる」と黒田総裁が再三発言しても、日銀の政策は出尽くし、日銀の限界が明らかになったと投機業者は決断し、円買い・株売りに打って出た。日銀が最大のカードを切った結果である。

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2月3日のきさらぎ会の講演で、黒田日銀総裁は改めて「2%の「物価安定の目標」の実現のために、できることは何でもやる」と締めくくった。現状、ゼロ近辺にある物価ではなぜいけないのだろうか。まさに、理想的な物価状況下にありながら、理想をぶち壊そうとしている。が、日銀がいくら血眼になっても世界的な商品相場バブルの崩壊ではどうすることもできないのだが。しかも、国内需要は家計消費支出の減少により細くなり、輸出も世界経済の停滞からマイナス幅が大きくなってきている。需要が弱くなっているときに、金融政策を弄る程度では、屁の突っ張りにもならないのである。

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日銀の黒田総裁は為替市場や株式市場を驚かすことばかり考えているのだろう。29日にはマイナス金利導入を発表した。相場は揺れたが、マイナス金利にしたからといって、実体経済にかかわる市井のひとびとの暮らしが良くなるわけではない。2013年4月以降、日銀は大規模な国債購入策を講じてきたが、家計の懐が一向に改善しないことをみれば明らかだ。国債購入やゼロ金利を長期間続けても経済効果がないことは、それにわずかの金融政策を加えたところで、いったいなにが起きるというのだろうか。

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21日、ECBのドラギ総裁が追加緩和策を示唆したことからユーロ安ドル高が進行、それにつれてドル建ての商品相場も持ち直した。原油価格も30ドル台に回復し、株式も買い戻された。ただ、商品相場の下降基調は変化しておらず、したがって、株式の戻しも一時的なものにとどまるだろう。商品相場が底入れできないのは、実体経済が弱いからだ。世界経済が底堅く推移する見通しが強くなれば、商品相場はきっと反発することになる。実体経済の確かさを感じ取ることができないあいだは、商品需要の弱い状態が続き、軟調な市況を脱することはできないだろう。

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商品市況の値崩れによって、主要国の株式は売られ、債券は買われた。CRB指数は160を割り込み、2008年6月のピークの3分の1に崩落した。1980年以降では最低を更新しているが、どこまで下落するのだろうか。CRB指数を構成している19品目のひとつに原油が入っているが、WTIは30ドルを割り込み、2003年以来の安値を付けた。WTIは30ドルを割れたが、このあたりが下値になる根拠はなにもない。WTIの上昇の起点は中国のWTO加盟の2001年12月である。2001年12月末のWTIは約20ドルだった。それが中国の世界経済への組み込みにより、資源の大幅な需要拡大、資源高を招いた。

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年明けの4日に中国株式市場でサーキットブレーカーが初めて発動されたことに端を発した株式への不安が世界株安を引き起こした。なかでも日本株は大発会から8日まで5連続安と戦後初の出足となった。昨年末からの日経平均株価の下落率は7.0%とNYダウの6.2%を上回る。商品市況の下落も止まらず、同期間、CRBは4.6%、WTIは10.5%それぞれ落ち込んだ。資源をがぶ飲みする中国経済の低迷が続けば、資源の需要は弱く、商品市況の回復は遠のくだろう。商品価格の暴落に目をつぶり、マネーゲームのように株式取引を行なってきた付けが回ってきているといえる。

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