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1億総スマホ化で日夜、株価と睨めっこしている姿は、子供がゲームに熱中しているのと同じだ(大人もゲームにはまっているのだが)。リスクは伴うがスリルもあり、仕事よりは面白いのだろう。ただ、買いにしろ、売りにしろ、投じた金が常に変動してのだから、気になることは間違いない。株式が頭から離れることなく、精神的にもゆとりが失われていくだろう。日本人の多くが、ストレスを溜める株式の虜になることは、決して歓迎されることではない。博打にみなが熱を入れるような、また国がそのように誘導する社会は健全な社会とは言えないはずだ。株式市場はもともと、むやみにだれもが近づけないような特殊なところなのである。

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資本主義経済は資本、つまり金の力で経済を動かしていく仕組みである。金を持っている人や金を調達できる人が、儲かると期待できるところへ金を投入する。うまくいけば利益を獲得できるが、期待外れとなれば、破綻する。まさに、企業家の血気が経済の原動力となる経済なのだ。成功も失敗も、企業家の能力がすぐれているかどうかに掛かっている。これはいつの時代についてもいえることである。

経済の原動力はこうした企業家による血気盛んな投資行動なのだが、経済の発展とともに、新たな投資先がなかなか見つからず、設備投資が伸び悩むことになる。すると資本主義経済のダイナミズムは失われ、成長は停止し、停滞状態に陥る。

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12月6日の所信表明演説で、岸田首相は「新しい資本主義」を提唱した。欧米の新自由主義に追随して「規制改革」、「民営化」などを闇雲に推し進めてきたことが、日本経済を歪めてしまった。こうしたことに対する反省もなく、「新しい資本主義」という文言で期待を持たせようとしている。最大の問題である分配を正したいのであれば、「新しい資本主義」を目指すのではなく、「古い資本主義」で事足りるのである。

なぜなら、1980年代以降、政府、自民党は所得税の累進税率を緩め、富裕者を優遇し、法人税率も大幅に引き下げ、消費税を導入したからである。少なくとも、所得税と法人税を過去の税制に戻すならば家計と企業の分配、個人所得の分配のいずれもより公平な分配へと変わるはずだ。さらに有価証券取引税の再導入や金融資産への累進課税も必要だ。

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『2020年国勢調査』によれば、日本の総人口は1億2614万6千人(2020年10月1日現在)、2015年比94万9千人減少し、20年前の2000年よりも少なくなった。日本人に限れば1億2339万人8千人、1990年以来の低い水準なのである。2020年の外国人人口は274万7千人、2015年比43.6%増加し、外国人の構成比は急速に上昇している。

人口は減少したが、65歳以上は2015年比6.6%増、75歳以上は14.3%、85歳以上は24.6%と年齢が上昇するにつれて、増え方も加速している。因みに、15歳未満の人口は5.8%減である。

75歳以上の人口を30年前の1990年と比較すると3.11倍、85歳以上では5.46倍へと著増。75歳以上の人口構成比は14.7%、2015年から15歳未満の人口構成比よりも高く、75歳以上が15歳未満人口よりも多いのである。15歳未満人口のピークは1955年の3012万人だが、今ではこの半分に激減してしまった。他方、65歳以上は3602万人と1955年の7.52倍なのだ。65歳以上人口の割合が30%以上の都道府県は2015年の13県から2020年には30道県に増加している。2024年には団塊世代がすべて75歳以上になり、75歳以上の人口構成比はますます上がることになる。街を歩いても、わたし同様の高齢者のなんと多いことか。

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10月の米CPI上昇率は1990年12月以来の高水準であり、その時の失業率は6.2%と今年10月よりも1.6ポイント高かった。当時のFFレートは7%、10年物国債利回りは8%である。1990年第4四半期の名目と実質GDPのそれぞれの前年比伸び率は4.5%、0.6%と今年第3四半期の9.7%、4.9%を大幅に下回っている。CPIの伸びはほぼ同じだが、実体経済は今が、はるかに強い。だが、FFレートはゼロに据え置かれている。現状の経済状態であれば、FFレートは7%でもおかしくはない。経済に見合うFFレートは存在せず、FRBはどのような水準にでもFFレートを定めることができるのだ。FRBは「物価安定と雇用の最大化」の達成を使命にしているが、FFレートを変幻自在に設定していると言える。政策金利はなによって決まるのだろうかという設問は愚問なのである。敢えて言えば、FRBの最大の目標は株式価値を最大にすることなのだ。しかも右肩上がりを持続させることが、FRBの使命と思い込んでいるのではないだろうか。

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11月19日、政府は新型コロナ禍で3回目の経済対策を打ち出した。総額55.7兆円と過去最大規模だと言う。昨年4月7日と12月8日の経済対策の規模は48.4兆円、40.0兆円であった。すでに昨年度以降、合計88.4兆円もの財政支出をしているのであれば、日本経済は相当良くなっているはずだ。ところが、15日発表のGDP速報によれば、今年7-9月期の実質GDPは前期比-0.8%と2四半期ぶりのマイナスだった。昨年度の2回の経済対策は実質GDPを8.0%押し上げると想定されていたが、押し上げるどころか、今年第3四半期は2020年第1四半期を9.1兆円も下回っているのだ。新型コロナ禍の期間を除けば、2014年第4四半期以来、約7年ぶりの低い水準なのである。民間最終消費支出(PC)の8兆円減をはじめ民間部門はすべて2020年第1四半期を下回っている。公的部門だけは6.5兆円のプラスだったが、財政支出の総額88.4兆円はどこにいったのだろうか。

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9月公表のFOMCの経済予測によれば、2021年の個人消費支出物価指数(PCE)は4.0%~4.3%、同コアは3.6%~3.8%である。9月のPCEは4.4%であり、予測を超えており、コアは3.6%であり、予測内である。2022年の予測は2.0%~2.5%、長期目標には2.0%を掲げており、予測に収め、目標を達成するには、利上げに踏み切り、需要を抑制しなければならない。そもそも実態からかけ離れたゼロ金利政策が株式や不動産だけでなく、物価にも波及してきている。長期におよぶルーズな金融政策が招いた結果といえるが、今や、実体経済と金融経済の両面からゼロ金利は追い詰められている。

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株式だけでなく原油も金も目先の手っ取り早い利益を求める対象になっており、巨額の投機資金がそこに流入してきているのである。過去最高値を次々に更新しても、なお高値を追いかける。投機家にその自信を与えているのはFRB、ECB、BOJの中央銀行だ。中央銀行の現実を顧みないゼロ金利政策が投機家をユーフォリアへと導いている。資金コストがゼロの状況を長期間続ければ、富裕者が目指すのは銀行預金ではなく、有価証券や不動産なのだ。ゼロ金利で銀行に預けても利息は付かず、余分の金は株式や不動産、商品に向かい、相場は実勢とはかけ離れ、投機が投機を呼ぶという状況である。株式価額・GDP比や株価収益率から判断すれば、いつ米株式は暴落しても不思議ではない水準まで舞い上がっているのだ。

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週刊マーケットレターは9月末日まで長期夏季休暇となっております。

10月から掲載再開となりますのでどうぞよろしくお願いいたします。

編集部

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新型コロナは生活様式の変更を我々に迫っていると受け止めるべきだ。ウイルスは敵ではない。悪さをすることもあるが、哺乳類には不可欠なウイルスもいる。今までは人間はあまりにもわがままに振舞ってきた。やはり節度は大事である。食べることでも「腹八分目」というではないか。代謝能力を超える食べすぎは、がんから認知症にいたる病の元になるらしい。ほどほどが深刻な事態を招かない最良の生き方かもしれない。

仕事の帰りに気の合う友達と一杯やる幸福感は否定できない。だが、仕事が終われば、帰宅し、家族で食卓を囲み、その日のことなどを喋ることも楽しいことだ。家族でろくに食卓を囲むこともできない社会は、決して良い社会とは言えない。普段の生活ができる社会を取り戻すことが、社会の充実・安定には不可欠なのである。新型コロナウイルスは生活の反省を促し、より人間的な生活に舵切りするように呟いている。

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6月の非農業部門雇用者数は1億4,575万人、2020年4月から1,559万人の増加である。月平均111万人の雇用の回復を実現してきたが、このペースで回復していけば6カ月ほどで過去の最大雇用に到達することになる。だが、昨年12月までは急回復していたが、今年に入り月平均54万人へと回復力は鈍化している。

新型コロナによる経済への打撃はこれまでにないものであり、先行き不安から企業はかつてない規模と速度で解雇した。民間部門では2020年4月までの2カ月で2,135万人が仕事を失った。産業別にみるとレジャー・接待業が最大で人員削減は822万人におよび、これだけで民間雇用減の38.5%を占めた。レジャー・接客業に小売りと教育・保険サービスを加えた3部門で62.9%を占めるという産業間の歪さが浮き上がる。産業間での雇用削減の強弱によって、雇用が回復する過程で希望の職種に付けないというミスマッチが生じやすくなっており、これからの雇用の回復速度は鈍るのではないだろうか。

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株式などを含む米金融資産の総額は今年3月末、307.1兆ドル、10年間で2倍超に拡大している。名目GDPの1.44倍を上回り金融資産・名目GDP比率は13.92倍、10年前の9.87倍よりも4.05ポイントも上昇し、上昇幅はその前の10年の1.36ポイントを大幅に上回った。

金融資産が名目GDPの約14倍もの規模に拡大していることは、金融政策は実体経済よりもむしろ金融経済中心に運営されるべきだと受け取れる。22兆ドルの実体経済と307兆ドルの金融経済のどちらが金利に敏感かといえば、後者であることは間違いない。ゼロ金利が307兆ドルに膨らませたのである。利上げは確実に307兆ドルを収縮させるだろう。かつてない規模に膨らんだ金融経済が、どの程度萎むことになるかはわからない。いつまでも雇用やインフレといった実体経済を目標にしてきた付が回ってきたと言える。FRBは利上げしたいが、怖くて利上げできないというのが本音ではないだろうか。

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6月18日、政府は「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太方針2021)を閣議決定した。「グリーン、デジタル、活力ある地方創り、少子化対策」によって、日本の未来を拓くという。「活力ある地方創り」や「少子化対策」はこれまで何度も言われてきたが、若者の地方から東京への流入は一向に止む気配はない。地方には若者をわくわくさせるところがないのだ。なにかその地方独特のものつくりや産業があり、それによって潤い、生活が豊かにならなければ、わくわくさせる場を作ることはできず、人は集まってこない。だが、地方独自のものつくりを意図的に始めようと思ってもできることではない。時代が変わることによって、おのずと地方の「あるもの」が注目され、それが利益を生み出していけば、自然に人は集まってくる。手っ取り早く企業誘致をしても、工業製品の寿命は短く、廃れやすく、ラストベルトになりかねない。地に足のついたものつくりを始めることは容易ではない。

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6月4日、厚生労働省が『2020年人口動態統計月報年計の概要』を発表した。昨年の出生数は84万832人、前年比2万4,407減と5年連続のマイナスとなり、明治32年以降では最低を更新した。50年前の1970年の出生数は193万人、100年前の1920年は202万人であった。一方、新型コロナ禍でありながら、死亡数は137万2,648人と前年よりも8,445人減少した。前年を下回るのは2009年以来11年ぶりである。出生数から死亡数を差し引いた自然増減数は53万1,816人減と2007年以降14年連続で減少幅は拡大している。減少数を53万人と仮定すれば、日本の人口は10年後、530万人、20年後には1,060万人減少することになる。

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4月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年比3.6%と前月の2.4%から1.4ポイントも上昇した。食品・エネルギーを除くコアも3.1%、前月よりも1.2ポイントも高くなり、1992年7月以来約29年ぶりの高い伸びだ。しかし、公表当日の米債利回りはやや低下し、株式や金は上昇した。

3月の米可処分所得は給付金の支給で前月比23.4%も急増したため、4月は14.6%減少した。そのため、4月のPCEは前月比0.5%に鈍化した。賃金・報酬は前月比1.0%増加しているが、個人の消費意欲は盛り上がっているわけではない。4月の貯蓄率は14.9%、前月比12.8ポイント低下したが、新型コロナ以前を大幅に上回っており、消費者は引き続き先行きを慎重にみている。

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ゼロ金利が借入を容易にし、特定部門を正常な水準から引き上げたが、貯蓄から消費への流れは強くはならなかった。金利をゼロに引き下げても、家計の貯蓄を減らすどころか、さらに積み増す行動に出た。所得がほぼ横ばい状態でも貯蓄選好を強めたのだ。

総務省の『家計調査』によれば、総世帯のうち勤労者世帯の2020年度の貯蓄率は40.0%である。新型コロナの影響がまだそれほど現れていない2019年度でも33.3%と2017年度から3.8ポイントも上昇している。2020年度の月平均可処分所得は43.2万円であり、消費支出には25.9万円、貯蓄に17.3万円が振り向けられている。年間の貯蓄は207.7万円になり、ざっと計算しても2020年度、勤労者世帯だけでも年間60兆円程度が貯蓄されたことになる。

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あらゆる情報媒体が新型コロナ関連のニュースを、大本営のように発表している。感染状況とワクチンに関する報道の垂れ流しである。右から左へ伝えるだけで、主義主張はほとんどない。感染者や死亡の情報がそれほど重要であるならば、物事には必ず表と裏があるのだからワクチンについても両面からの報道が求められるはずだ。日本のコロナ死亡数は累計で1万1,459人(5月15日現在)だが、厚生労働省の『人口動態統計』によれば、昨年の日本全体の死亡は138万4,544人、前年比9,373人減であった。今年2月までの2カ月間の死亡は前年同期よりも1.7%増加しているが、これだけ日々報道し続けているほどの変化ではない。肺炎(95,518人、2019年)や誤嚥性肺炎(40,385人、2019年)の死亡に比べればはるかに少なく、なぜ新型コロナにこれほど大騒ぎするのだろうか。

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緊急事態宣言を出す前に、政府はどれだけ真剣に現状を分析しているのだろうか。4都府県に限定し、期間は17日間という短期間では、大半の人が感染者数を減少させることは無理だと結論付けるだろう。7日、菅首相は宣言の延長を表明したが、期間は5月末までの20日間、新たに愛知県と福岡県が加わり、6都府県に広げた。が、地方での感染拡大がより深刻になっている状況では、6都府県に限定した緊急事態宣言では、感染を阻止することは難しい。

この期に及んでもまだオリンピック開催に拘る。切羽詰まってもまだ優柔不断な判断しかできない。判断を引き延ばせば引き延ばすほどリスクは高まり、コストも膨らむ。なぜこれほど国の判断は遅鈍で稚拙なのだろうか。

第2次世界大戦で広島と長崎に原子爆弾が投下され、壊滅させられて、やっとポツダム宣言を受諾する。これほどまでに徹底的に遣られなければ、決断がつかないという情けない習性は今も生き続けている。

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実体経済を梃入れするためにゼロ金利の長期化を吹聴しているが、ゼロ金利を続けても実体経済を活気づけることはできない。株式や住宅といった金利に敏感な部門を異常に膨らませるだけである。現金給付でさえ、多くは貯蓄されてしまい、消費にはその僅かな部分しか支出されないのだ。なによりも必要なことは、先行き賃金等が増えるという明るい見通しを持てるかどうかなのである。そうでなければ、給付金は単なる誘い水に終わるだろう。米国経済の行方は決して楽観できるものではない。

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政府は23日、3度目の緊急事態宣言を4都府県に出した。期間は今月25日から来月の11日までのたったの17日間である。過去2回の緊急事態の期間に比べれば相当短い。報道によれば、5月17日ごろにIOCのトーマス・バッハ会長の来日が予定されているからだと言われている。2度の緊急事態宣言を振り返ってみても、期間はいずれも延長され、解除されたのは、昨年の第1回目では1カ月半後、今年1月の第2回目は2カ月半近くを要している。こうした経緯から予測すれば、今回の緊急事態宣言が解除されるのは6月下旬から7月上旬ではないだろうか。今回の宣言はオリンピックだけに焦点を当てており、菅首相の唯我独尊、国民の生活や生命よりもオリンピックが大事な姿勢が如実に表れている。

緊急事態宣言を出すとき、菅首相は専門家の意見を聞いた上で判断すると常々言っているが、どうなのだろうか。専門家も現実を直視し、政治家におもねることなく、直言したのであろうか、はなはだ疑問である。

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日米の雇用状況は大きく異なり、雇用だけを取り上げて、経済を比較すると、日本経済が米国経済よりも良い状況にあって当然なのだが、現実は逆なのである。新型コロナの感染者数や死者を比較しても米国は3,108万人、56万人だが、日本は50万人、9,327人と桁違いに少ない。人口に占める感染者数は米国の9.4%に対して日本は0.4%であり、新型コロナの経済への影響も米国がより大きいはずだが、経済は米国がはるかに強いのである。

経済指標からも米国経済の好調ぶりが窺える。3月の総合PMIは日本の48.3に対して米国は59.1、3月のISMも製造業64.7、非製造業63.7と好不況の目安である50を大幅に上回っており、非製造業は統計開始以来なのだ。雇用はまだ回復途上にあるけれども、景況指数は絶好調を示している。この景況感の格差は何に起因しているのだろうか。

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資本主義も独裁主義もITに夢中になっているが、問題はITそのものにあるのだ。すでに述べたことのほかにもITリスクはいくらでもある。長時間、机に向かい、モニターを見つめ、キーボードや画面をスクロールする操作を続けていくことになれば、人間の本来の身体機能や能力は低下していくことになるだろう。すでに産業革命以降、機械に頼ってきたことから、もの作りの分野では昔のようなすぐれたものが作れなくなってしまった。こうした傾向はこれから一層強まるだろう。すぐれたものが作れなくなることは、文明が廃れていくことだ。ことITに関してとらえれば資本主義も独裁主義も同じ境遇にあるといえる。過去を振り返って、今一度、手作業によるもの作りを再構築することが、これからの社会を乗り越えていく上で欠かせない最重要課題だと思う。ITに傾注すればするほどITに魂を奪われ、人間はもぬけの殻になる。

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日銀の『資金循環』によれば、家計の金融資産は2020年、1,828兆円、うち現・預金は1,000兆円と金融資産の54.7%を占める。2000年の家計保有の金融資産は1,401兆円、現・預金は744兆円と金融資産の53.2%を占めているが、2020年の比率が1.5ポイント高く、ゼロ金利下でも現・預金志向が強まっていることを裏付けている。

ゼロ金利という異常な利下げを実施しても、日本の家計の現・預金選好は強まるばかりであり、消費を増やそうとはしない。消費が増加しなければ、物価は上がらない。消費増が期待できなければ、ゼロ金利でも企業の設備投資も限られたものになる。金利と物価の関係は日本でも断たれてしまっているのだ。

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過去20年近く、国債利回りは名目GDPの伸びを上回ることなく、下がり続けているのだ。ゼロ金利とFRBによる大規模な国債購入が国債相場を歪め、実体経済との正常な関係を築くことができなくなった。国債利回りという資本主義経済の中枢であるプライスメカニズムが、機能不全に陥っているのである。

FRBの金融政策は物価とも無関係になっているが、ゼロ金利の長期化によって、国債利回りと実体経済の関係も断ち切るという資本主義経済の本質を葬ろうとしている。こうした反資本主義的な金融政策は米国だけでなく、日欧でも実行されており、世界的なうねりとなっているが、そこからなにか今までとは違う経済社会像が垣間見えるようにも思えるのだが、どうだろうか。

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