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3月の米非農業部門雇用者数が前月比12万増と前月の増加数の半分にとどまり、米国経済の回復が順調に進んでいないことを裏付けた。特に、サービス部門が9万人増と前月の20.4万人を大幅に下回り、全体の約7割を雇用している部門が不安定になっている。小売業は2ヵ月連続の前月比減、情報部門は2ヵ月ぶりのマイナスになったほか、雇用情勢に敏感な派遣関連は8ヵ月ぶりに減少したことが、雇用の不透明感に拍車を掛けた。

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日経平均株価は前週末を上回り、3週連続で1万円台を維持した。前年度末に比べれば3.4%増である。10年債利回りは3週間ぶりに1%を下回り、対ドルで円は安くなった。日本株の米株頼みの状況は変わらず、米株が上昇しなければ、さらなる上値は期待できない。S&P500の3月末値は昨年末比で12.0%上昇したが、日経平均株価はそれを超える19.3%も急騰し、いかにも行き過ぎであることがわかる。 

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1万3,000ドル達成後、NYダウは上値が重く、よほどの経済指標等が出ない限り、さらに上値を目指すことは難しい。米株式が頭打ちになり、それに連動する日本株も勢いを失した。政治、原発、年金等日本を土台から揺さぶるような問題が放置されたままでも、日経平均株価が1万円を超えたのは、ひとえに米株高のお陰だ。自力で株式が好転するような材料はなにもなく、実体経済から乖離した株価上昇であった。裏付けのない株高だけに、米株式が反落すればたちどころに、値を消すことになるだろう。委託売買代金の約65%を占める外人は12週連続買い越し、いつ売りに転じてもおかしくない。今、株式は売り時だ。 

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対ドルで円は6週連続安となり、昨年4月第2週以来の83円台に下落し、2011年3月末値より円安ドル高になった。2月第1週の直近高値から6円86銭の円安ドル高だ。これほどの激しい動きは円買い持ちの手仕舞いによるものだろう。ただ、日米の相対的景況感がドル買いのシグナルを発していることも見逃してはならない。OECDの景気先行指数によると、1月の前年比伸び率は米国の0.8%に対して日本は0.3%であり、すでに3ヵ月連続で米国の伸びが日本を上回っている。急激な円安ドル高はひとまず落ち着くはずだが、米実体経済の相対的強さによって、ドル買い円売りが持続的に発生するだろう。ちなみに、1月のユーロ圏の先行指数は前年比-5.4%と日米よりも悪い状態が続いており、対ユーロでもドルはじり高で推移するとみている。 

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震災・原発から1年経ったが、政府は早々、福島原発の収束宣言を出し、「社会保障・税の一体改革」に邁進している。まったく震災・原発から目を逸らせる目眩ましとしかいいようがない。原発の核燃料がどこにあるかもわからず、今後、どのような災難が降りかかってくるかもわからない。なによりも、原発の被害をこれ以上ださないために全力を尽くさなければならないのだ。だが、そうした取り組みがなされているとはとうてい思えず、中途半端な対策にとどまっているように思える。 

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米国のように日本も新車販売台数は好調であり2月も前年比31.9%増加した。1月の40.7%より低いが、これで5ヵ月連続の20%超である。昨年12月からエコカー補助金制度が始まったことが販売を嵩上げしている(来年1月末までに新車新規登録された車に適用)。だが、1月の『家計調査』によると、自動車等購入は前年比11.7%減少しており、新車販売とは相容れない数値だ。台数と金額の違いはあるが、それにしても違いすぎる。家計以外が購入したとしか捕らえられない。 

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イギリスの住宅価格も米国と同じような経緯を辿っている。09年には幾分反発したものの、その後、バブル崩壊後の最低は更新していないが、弱含みで推移している。昨年10-12月期の英実質GDPは前期比0.2%減少し、景気の悪化が住宅価格に影響すると考えられるが、こうした経済の悪化による住宅市場の悪化は、EUなかでも住宅バブルが大きかったスペインなど南欧経済に再び襲い掛かりそうだ。昨年10-12月期のイタリア、スペインの実質GDPは前期比0.7%、0.3%それぞれ減少したが、今後、緊縮財政の強化により、マイナス幅はさらに大きくなり、住宅市場に悪影響を及ぼすだろう。住宅価格の下落は家計のバランスシートの悪化を通して消費マインドを冷やし、経済やマネーの動きを一層鈍化させることになる。 

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NYダウは昨年9月の安値から20%も上昇したが、米10年債利回りは2%を下回ったままである。昨年10-12月期のGDPはやや上方修正され、名目前年比3.8%伸びた。経済は3.8%成長しているが、長期期待収益率は2%と低い。実際には3.8%の収益が上がっており、資金調達コストが低いので、借入が旺盛となり、金利は上昇していくことになる。が、そうはならず資金調達コストは低い水準に止まっている。FRBが2014年末までゼロ金利を続けると宣言したことで、金利の調整機能は完全に失われてしまったことが、こうした低利回りの異常な状態を作り出しているのである。マネタリストのバーナンキFRB議長は市場主義者だが、彼のしていることは市場主義とは掛け離れている。金融社会主義者とでも呼称するに相応しい。マネーの供給やコントロールだけで経済がすべてうまくゆくと考えているが、それほど単純であればとっくの昔に経済は正常な姿になっているはずである。マネーの流れや需要に問題があるからいくらマネーを操作しようとしても、操作できないのだ。米国はマネー経済だけが膨らむという金融危機の教訓を教訓ともしない歪な経済へと進んでいる。 

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日経平均株価は3週連続高となり、昨年7月第4週末以来約7ヵ月ぶりの高い水準に回復した。昨年3月末値には100円強に迫り、株式保有者は損失が解消されつつある。円ドル相場も週末、1ド=81円台まで円安ドル高が進み、昨年度末の83円15銭まであと2円ほどとなり、為替差損で苦しむこともなくなりそうだ。国債利回りは引き続き1%を下回っており、昨年度末より0.28%も低く、国債保有者には多額の評価益が発生している。 

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外人買いによって日本株も持ち直している。外人は2月第3週まで8週連続で買い越した模様で、その間、日経平均株価は約1,000円値上がりした。リーマン以前の水準に回復した後もNYダウは買われ、13,000ドル目前まで上昇したことも日本株を後押ししている。昨年10-12月期の日本や欧州のGDPが前期比マイナスとなり、景気が悪化したにもかかわらず、株式に金が流れ込みつつある。さりとて、債券が売られることもなく、利回りは歴史的低水準のままだ。商品市況も堅調であり、WTIは再び100ドルを突破した。 

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13日、昨年10-12月期のGDP統計(速報)が公表された。それによると、名目GDPは前期比0.8%減と2四半期ぶりのマイナスとなった。プラス成長は7-9月期の1四半期にとどまり、日本経済は2010年10-12月期以降の後退から抜け出していないことを裏付けた。米国は0.8%のプラスだし、ユーロ圏も名目ではこれほどのマイナスにはならないだろう。世界経済のなかでも日本経済の悪化は際立っている。世界経済の足取りが思わしくなくなると、その影響を新興国よりも受けるのが日本経済だということを改めて思い知らされた。 

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日本の株式が沈んだ状態から抜け出すことができないのは、日本経済の縮小傾向が強まっているからだ。原発事故が起きて1年近く経つが、原発廃止も打ち出せず、なにも決まらないままずるずると時間だけが過ぎている。大罪を犯した東電を咎めることなく、電気料金を自由に引き上げさせるなど、政治はいったいなにをしているのだろうか。手をつけなければならない問題が山積しているときに、消費税引き上げを持ち出し、しかも理解不十分の半煮えの議論を展開している。 

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1月の米雇用統計が予想以上に改善したことからNYダウは週末値としては2008年5月第3週以来の高値を付けた。つまり、リーマン・ショック以前の水準に戻り、過去最高値までも100ドル強の射程内に入った。ハイテク株の割合が高いナスダックに至っては11年2ヵ月ぶりの高水準だ。一方、日本株は過去最高値の4分の1にも満たない超低空を飛行しており、米株式とは著しく対照的である。なぜこれほどまでに米株式は強いのだろうか。 

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昨年10-12月期の米GDP速報値が27日に公表された。実質GDPは前期比年率2.8%と1-3月期の0.4%を底に3四半期連続で伸び率は高くなった。だが、成長率は予想よりも低く、内容も良くなかった。そのためドルや株式は売られた反面、債券は買われ、10年債の利回りは1.89%に低下した。だが、名目GDPは前年比3.7%伸びており、債券利回りを大幅に上回っている。過去10年間の年平均名目成長率は3.9%であり、長期の期待収益率が概ねこの水準にあると考えれば、いまの資金コストはいかにも割安である。資金調達費は割安だが、これを修正する動きは出てこず、資金調達費が期待収益率以下の異常な状態が長期化している。 

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NYダウは3週連続で上昇し、昨年4月第4週に付けたバブル崩壊後の高値に接近した。当時のユーロドル相場は1ユーロ=1.48ドルとユーロ高ドル安であり、米10年債の利回りは3.2%と現状よりも1%以上高い。長期期待収益率が低下しているにもかかわらず、株式は買われている。昨年5月,6月に増加ペースが鈍化した非農業部門雇用者数が盛り返し、12月には前月比20万人増に回復したことが、株価上昇要因に挙げられる。回復したとはいえ、非農業部門雇用者はピーク(08年1月)を600万人超下回っており、失業者数は約1,300万人いる。失業率も昨年9月までは9%超で高止まりしていたが、その後、改善傾向が強まり、10月以降の3ヵ月で0.5ポイント改善し、12月は8.5%と09年3月以来33ヵ月ぶりの低い水準に低下した。失業保険申請件数の大幅な減少などから判断すれば、米雇用はさらに改善するだろう。雇用が回復すれば、それにつれて消費も増加していくことになり、企業は売れ行きに自信を深め、設備投資に踏み切ることになる。そうなれば景気の本格的回復が期待できる。 

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付け会社が格付けを下げるまでもなく、すでに欧州の国債利回りには大きな格差が存在していた。1年前のドイツとフランスの国債利回りの開きは0.4%ほどであったが、週末には1.3%も拡大した。このような格差があるにもかかわらず、同じ格付けをしていたのでは格付けの信頼性が揺らぐ。3ヵ月も前から格付け会社はフランス国債の格付けをネガティブに見直す素振りをみせていた。格付け会社はドイツとフランスの利回りの開きをただながめているだけにはいかず、後追い的に格下げに踏み切ったということだ。 

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野田首相が拘るのは消費税率の引き上げだけだ。喫緊の問題が目白押しだが、「税と社会保障の一体改革」というキャッチフレーズを掲げ、原発等からこちらに国民の目を逸らせようとしている。議員数や公務員給与の削減も手付かずで、税金だけ上げようとする。予算や特別会計の大胆な削減や組み換えにも踏み込むことはしない。 

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2012年度の政府の一般会計予算案が決まった。総額90.3兆円のうち44.2兆円が国債発行による借金である。これだけ借金に依存しても、公務員の人員、給与、年金等は変わらず、公共事業も推し進める。予算はすべて財務官僚の掌のなかで決まり、官僚による官僚のための予算であり、野田首相以下閣僚はお飾りでしかすぎない。予算の削減には踏み込めず、足りなければ国債発行、さらに増税と安易な方法に進もうとしている。このような予算案なら政治家がいなくても作れる。 

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12月16日、野田首相は原発事故が収束したと宣言した。野田首相が本部長を務める原子力災害対策本部の自作自演でしかない。こうなれば収束という仮定を置き、その仮定を満たしたので収束したといっただけである。まったく、東電のこれまでの事故の対応をそのまま踏襲している。今回の宣言は、まさに東電と政府は不離の関係にあることを改めて社会に認知させる行動といえる。 

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12月5日の独仏首脳会談で纏まった事項が、EU首脳会議でほぼ承認され、そこで新たに付け加えられたものはなかった。ECBは政策金利を0.25%下げ、1.0%とこれまでの最低と並ぶ水準に引き下げ、長めの資金供給策も打ち出した。ユーロ圏の景気が危うい状態にあるので、金融緩和策は採られているが、首脳会議では財政赤字を縮小させる財政協定に英国を除く26ヵ国が参加することになった。景気が悪化しているときに、財政規律を重んじ、赤字を削減するというのである。 

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11月30日、日米欧の6ヵ国・地域の中央銀行がドル資金供給の拡充を打ち出したことから金融株を中心に株価は大幅反発した。中央銀行はリーマン・ショック直後の08年9月18日にも同じような資金供給策を発表したが、効果は数日しか持たなかった。金融危機のときには、実体経済から発生する資金需要は減少し、必要とするところは危ない金融機関に限られるので、淘汰されるべき金融機関が生き残る。へまをすれば倒産し経済から排除される資本主義経済の機能が働かなくなると、経済が不良資産を抱え込み、非合理・非効率がまかり通り、経済がなかなか好転しないことになる。 

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11月21日、ムーディーズがフランス国債の格付け見通しに言及したことにより、フランス国債の利回りは上昇、さらに、23日にはドイツ国債の入札が不調となり、利回りは急上昇し、週末、ドイツの10年物国債は2.26%と週間で0.29%も高くなった。格下げされたベルギーをはじめ欧州各国の国債は軒並み売られ、各国の資金調達コストは大幅に上昇することになる。国債売りの余波は日本にもおよび週末には11月1日以来の1%超となった。ただ、23日のドイツ国債の不振に対して、米国国債は買われ、利回りは低下した。 

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今年も残り少なくなったが、日経平均株価は週末、今年最安値の水準に落ち込んだ。週末値では09年3月第3週以来の低い水準である。TOPIXは年初来安値を更新し、昨年末を19.9%も下回ってしまった。欧州の株価も下落しているが、DAXは昨年末比16.1%減、FTSE100は9.1%減といずれも日本株よりも下落率は小さく、NYダウにいたっては前年末を1.9%上回っており、日本株の不振が目立つ。 

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野田首相は11日、TPP交渉参加を表明した。原発や放射能汚染といった難問を抱えていながら、米国の機嫌取りに走る有様。TPPの内容が開示されないまま闇雲に米国の経済戦略のレールに乗ることは、交渉力に長けていない日本の政治家の力量を前提にすれば、危険この上ない。TPPに参加して、日本の製造業ははたして輸出をさらに伸ばすことができるのだろうか。海外にでるべきところは大方すでにでているのではないか。日本からの輸出が大きく伸びることはなく、ひ弱な非製造業は米国に押し捲られることになるだろう。 

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