12日、福島第1原発1号機の燃料棒崩落報道をうけ、日経平均株価は続落し、先月26日以来の低い水準で引けた。債券利回りは1.11%まで低下したが、円ドル相場は小幅な値動きにとどまった。1-3月期のユーロ圏実質GDPは前期比0.8%と米国(0.4%)を上回ったが、ドイツが1.5%も伸びたため、南北の成長格差の問題が改めて嫌気され、ユーロは1.41ドル台に下落した。ユーロ安により、NYダウは2週連続安となり、急落した商品相場の戻りは鈍かった。
4月の米消費者物価指数はエネルギー関連の上昇などで、前年比3.2%と5ヵ月連続で上昇し、08年10月以来、2年半ぶりの高い伸びとなった。コアは前年比1.3%だが、4ヵ月連続増とじわじわ上昇してきている。コアの伸びは1%を超えているが、政策金利はゼロに据え置かれたままであり、資金コストだけが異常に低いところに釘付けされている。経済法則から逸脱した金融政策の続行が、金融・商品部門を膨らませ、これからも経済を歪めるだろう。