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FRBは14日、FFレートを0.25%引き上げ年0.5%にした。1年ぶりの利上げとなり、来年は1.1%~1.6%へとさらに引き上げられると予想されている。米政策金利の継続的な上昇観測によって、ドル高はさらに強まり、対円では118円台まで上昇し、対ユーロでは2003年1月以来のユーロ安となっている。政策金利の上昇期待によって米国債利回りは週末、2.59%と1ヵ月で38ベイシスポイントも上昇し、7-9月期の名目GDPの前年比伸び率2.8%に近づいてきた。本当に、米国経済が力強さを取り戻してきているのであれば、国債利回りはさらに上昇するだろう。だが、そうでないのなら、利回りの上昇は頭打ちになるはずだ。

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日経平均株価は5週連続の値上がりで、昨年末以来の高値を付けた。5週連続の円安ドル高と同一歩調である。1ヵ月で10円超の円安ドル高だ。NYダウも5週連続で伸びているが、米大統領選挙の11月8日比での上昇率は、TOPIXの11.9%、日経平均株価の10.6%に対してNYダウとS&P500は7.8%、5.6%それぞれ上昇しており、日本株の上昇率を下回っている。トランプ氏の米大統領就任で最も影響を受けるのは米国の政治・経済だが、なぜ米国よりも日本株がこれほど値上がりするのだろうか。

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安倍政権は法案を強行に成立させようとしている。力ずくの政治が横行しており、民主政治は名前だけのものになってしまった。安倍政権は中国やロシアの政治に近づきつつあるといえる。次期米大統領のトランプ氏も力を全面にだすことにおいては同類であり、世界の政治は話し合いよりも力に重心が置かれることになりそうだ。徐々に固まる主要人事をみても米国の政治は波乱をまき起こしそうである。そして、力と力がぶつかり合えば、凄まじい破壊が起こることになる。そこまで至らないとしても、世界がぎすぎすした状態に陥るだろう。政治がうまくいかなくなれば、経済はたちどころにその影響を受けることになる。

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米大統領選挙でトランプ氏が勝利したことにより、ドル高、株高の半面、債券安、商品安が進行している。TPP脱退、金融規制の撤廃、法人税率引き下げ、オバマケア廃止、公共事業拡大等の政策や国内重視の政治姿勢が企業収益を拡大するものと受け取られているようだ。だが、こうした政策は安倍政権がすでに実行してきたことだ。結果は不首尾に終わったと言って良いだろう。企業は内部留保を溜め込み、所得格差は拡大し、財政赤字はますます悪化した。個人消費支出の低迷は一層酷くなり、消費者物価指数の前年割れが続く。このような事態に米国経済も陥るだろう。米GDPはFRBの予測を下回ったままであり、思いのほか伸びない米国経済は今後、企業太りと所得格差拡大により、個人消費は伸び悩み、政治的対立が深まり、米国は経済も政治も大きく揺れるのではないだろうか。

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総務省の『人口推計』によれば、日本の総人口は1億2,693万人(10月1日時点、概算値)と前年比18万人減少した。14歳以下は1,595万人、15歳から64歳までの生産年齢人口は7,634万人、65歳以上は3,463万人であり、65歳以上は14歳以下の2.17倍だ。75歳以上(1,700万人)と比較しても14歳以下は少ない。85歳以上も528万人を数える。すでに65歳以上の総人口に占める割合は27.3%まで上昇しているが、これから長期的に65歳以上の比率は上昇を続け、10年後の2026年には30.5%になると推計されている(社会保障・人口問題研究所、出生中位・死亡中位)。

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中国人民元の対ドルレートは2014年からドル高元安に動いており、その間10%ほど安くなっている。6年ぶりの元安であるにもかかわらず、中国の輸出は振るわず9月もドルベースで前年を10%も下回った。中国の輸出が不調ということは、世界経済の足取りが重いことを示している。8月の米貿易収支でも米国の中国からの財輸入は前月比横ばいだったが、四半期別では昨年第3四半期をピークに減少傾向にある。日本の貿易統計によれば、日本の中国からの輸入は8月、前年比-15.4%と3ヵ月連続の2桁減である。元安で価格が下落していることが大きく影響しているが、数量ベースでも8月までの過去3ヵ月を平均するとマイナスになる。IMFの世界の財輸入をみても数量ではほとんど停滞した状態にあり、資源価格の下落などから金額ベースでは7月、前年比6%減と2015年9月の-14.4%をピークにマイナス幅は縮小しているが、22ヵ月連続の前年割れだ。

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週末値では7月第2週以降、13週連続で日経平均株価は16,000円台で引けている。年金マネーが買い、日銀が買っても売買代金(委託)の約7割を占める外人が売り越したのでは上値は重い。外人が売り越しているのは、円ドル相場と企業業績への不安があるからだ。米国経済は思うような成長軌道に乗れず、利上げすれば経済成長はより緩慢になるだろう。だから、FRBはなかなか利上げに動けないのだ。とすると、いま100円台の円ドル相場は90円台へと突入する可能性が高い。円高ドル安の進行は企業業績の下方修正に繋がり、日本株は売りとなるだろう。『日銀短観』はそうした日本株売りを暗示するような内容であった。

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8月の米個人消費支出は前年比3.6%増加したが、『家計調査』によれば日本の消費支出(二人以上の世帯)は前年比5.1%減少した。米国の消費支出は前年比3%台で推移しており、日本にとっては羨ましいほどの伸びである。それでもFRBは利上げを先送りしている。FRBが利上げできないのは、ウォール街に気を使っているからだ。米国民のことなど少しも考えていない。利上げの株式や住宅への打撃が怖いのである。FRBは金融危機を引き起こした張本人である金融機関を優遇し続け、資本主義を踏みにじる行動を採り続けている。市場のことは市場に任せる、自らしでかした過ちは自ら取る、といった原理原則を曲げてしまった。

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21日発表の日銀の総括的検証によれば、「経済・物価の好転をもたらし、物価の持続的下落という意味でのデフレではなくなった」と量的・質的金融緩和を評価している。年度ベースで消費者物価指数(総合)をみると、2012年度まで4年連続のマイナスから2013年度は前年比0.9%と5年ぶりに上昇した。円安ドル高の進行と原油高、さらに2014年4月に消費税率が8%に引き上げられたことによる前倒し需要などによる物価上昇であり、「量的・質的金融緩和」の物価上昇への影響はないといってよいだろう。「量的・質的金融緩和」が実現されたからではなく、単なる表明により円ドル相場は大いに反応し、円安ドル高の進行をみた。それによって、株式も大幅に反発したのである。実際に、金融緩和が実現できなくても、フォワード・ルッキングを最大の原動力としている為替や株式はこれに乗り、実体経済とは無関係に動いていったのだ。

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為替・株式市場参加者は日米の金融政策を控え、神経質になっているが、米国については8月の小売売上高や鉱工業生産はいずれも前月比マイナスとなり、実体経済の基調は弱く、FRBの予想GDP達成は難しく、9月だけでなく11月、12月のFOMCでも利上げは見送られるだろう。日銀の黒田総裁はまだ金融緩和策があると強気の姿勢を保っているが、これまで実施してきた政策でなにが金融緩和しているというのだろうか。これまでにたびたび書いたけれども、日銀が国債をどれだけ購入したとしても、金融機関からお金が出ていかない。金融機関からお金は出ていかず、使い道がないので日銀に預ける、それをもとに日銀は国債を買う。日銀の金融緩和とは、こうしたことを繰り返しているだけなのだ。言ってしまえば、日銀は国債買い取り機関なのである。だが、このようなことは、日銀がやらなくても金融機関でできる。

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経済指標や米金融当局者の発言により為替、株式は揺れている。数日で利上げ観測ががらりと変わるという目まぐるしい状態にある。米利上げがいつ実施されるかということが、依然、市場参加者の関心事なのである。だが、FRBの経済予測と現実の数値を照らし合わせてみれば、そう簡単に、FRBが利上げに踏み切るとは考えにくい。FRBによれば、2016年の実質GDP目標値は1.9%~2.0%だが、4-6月期は前年比1.2%の伸びにとどまっている。8月の失業率は4.9%であり、ほぼ目標値に近く、物価のコアは目標に入っている。一番の問題は成長率が低いことなのだ。4-6月期の実質GDPは2015年1-3月期以降、5四半期連続で伸び率は低下し、2013年4-6月期以来3年ぶりの低成長であった。

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週刊マーケットレターは執筆者の夏期休暇のためにお休みを頂きます。

掲載再開は9月の上旬の予定です。

どうぞよろしくお願い致します。

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先週の日経平均株価は前週比9.2%と2009年12月第1週以来約6年半ぶりの急騰だ。参議院選で与党が大勝したことが影響したと考えられるが、それだけではこれだけの値上がりを説明することはできない。2014年12月14日に行われた衆議院選後の週間値上がり率は2.0%にすぎなかった。自公が3分の2を獲得し、圧勝したけれども、それほどの上昇ではなかった。円ドル相場などは1円も動かなかった。今回は為替も前週比4円以上変動した。特に、11日、12日の変化率が大きく、日経平均株価は前週比プラス1,391円のうち、989円は週前半の2日間で達成した。為替も2日間で4円16銭も円安にぶれた。英国のEU離脱などに伴う円高と株安の反動の面もあるだろうが、それだけではこの変動は説明できない。なにか別の要因があったのだ。

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NYダウは過去最高値近辺まで上昇し、国債利回りは最高最低を更新した。企業収益の前年割れや設備投資の不振など米実体経済はもたついているにもかかわらず、金融経済は活況を呈している。FRBの利上げが完全に頓挫したことが、このような齟齬を引き起こしているのだ。米株式と国債相場は完全に金融政策によって形成された砂上の楼閣だ。砂上の楼閣を維持するには現状の金融政策を踏襲するしかない。だが、今の金融政策を続けていけば、実体経済と金融経済の乖離はますます大きくなり、最後にはバブル崩壊という惨事に行き着くだろう。

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イギリスのEU離脱が決まってから、FRBの利上げ観測は霧散してしまった。その結果、商品市況は勢いを取り戻しているが、なかでも金と銀は昨年末比26.3%、41.9%それぞれ上昇している。国債利回りも低下し続けており、主要国では過去最低を更新した。週末値では米国の利回りも約4年ぶりに最低を更新、まさに異常な債券相場となっている。これら商品や国債相場の高騰は日米欧の金融政策により、人為的に作り出されているものだ。

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6月23日、イギリスのEU残留見通しから円安ドル高にぶれていたため、24日、離脱が濃厚になるにつれて、円が急伸し、一時1ドル=99.00円まで上昇した。その後は行き過ぎの反動があらわれ102円台で取引を終えた。それでも前日から約4円も上昇したのだ。相場はまさにジェットコースターのように激しく揺れた。

24日の1日でポンドの対ドル相場は8.1%も下落した。一時、31年ぶりの安値を付けたが、終盤に戻した。ただ、ポンドが急落したわりには、英株式(FTSE100)の下落率は3.1%とNYダウ(3.4%)よりも小さかった。一方、24日の日経平均株価は7.9%も沈み、DAXは6.8%も急落するなど、離脱国をはるかに上回る下げに見舞われた。昨年末比、日経平均株価とDAXは21.4%、11.0%それぞれ下落しているが、FTSE100は1.7%しか下回っていない。

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6月15日、金融政策の現状維持と「運用姿勢は引き続き緩和的」という内容のFOMC声明を発表した翌日の16日、日銀も現状維持を打ち出した。日銀の金融政策発表後、円ドル相場は1ドル=106円台から103円台に円は急騰した。同時に日経平均株価は急落した。発表を待ち伏せしていた投機筋が仕掛け、それに数多の投機業者が追随したのだろう。2012年秋以降の円安ドル高は2015年7月まで3年弱続いた。が、今や完全に、基調は円高ドル安である。まだ、円高ドル安は1年ほどしか続いていない。過去約3年の円売りドル買いによるドルの持ち高は膨れており、ドル売り円買いの弾は十分にある。しかも、フローの日本の経常黒字は拡大しており、実需のドル売り円買いが増加している。投機的にも実需の側面からも円買いドル売りは発生しやすくなっているといえる。

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イギリスの世論調査でEU離脱が留残を上回ったことから、ポンドやユーロは売られ、欧州株式は崩れた。円ドル相場は大きく変化しなかったため、円ユーロ相場は週末、1ユーロ=120.3円と2013年1月以来3年半ぶりの円高ユーロ安となった。円ドル相場は106円台を2週連続で維持しており、一段の円高に向かいそうな気配である。1-3月期の実質GDPの前年比伸び率は米国の2.0%が最も高く、次がユーロ圏の1.7%、日本は0.1%と最も低い。経済が弱いという観点に立てば、円は売られてもよいが、物価格差や経常黒字の拡大などで円は強含んでいる。貿易収支の改善により、4月の経常黒字額は1.87兆円と4月としては、2007年以来9年ぶりの高水準だ。5月の企業物価指数は前年比4.2%減と前月と同じマイナス幅であったが、消費者物価に一段の下方圧力を掛けるだろう。

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5月の米雇用統計が予想を大幅に下回り、円は急騰した。3月の経常収支が3兆円近くに達し、4月の日本の消費者物価指数(総合)が前年比-0.3%と日米の物価格差が拡大していることなどから、基本的には円高ドル安の流れにあった。そこに、非農業部門雇用者が前月比3.8万人増、しかも3月、4月も下方修正され、6月利上げが後退、円高に火が付いた。

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G7首脳会議開催の意義などあるのだろうかという印象を今回強く思った。親睦会のようなものなのだろうか。現実の課題に対して積極的に取り組む姿勢などないからだ。みなそれぞれの国の事情があり、合意を得ることは難しく、難問は当たり障りのない宣言で逃れる。議長を務めた安倍首相は、世界経済を自分に都合よく解釈し、消費税引き上げ延期の理由づくりに精を出した。議長は全体の取りまとめ役だが、取りまとめるのではなく、ごり押ししたのである。議長がこのような姿勢で臨んだため、結局、なにの成果も得ることはなかった。

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今年1-3月期のGDPが公表されたが、名目GDPは前年比0.8%と2四半期連続の成長率低下である。しかも閏年により前年よりも1日多かったが、この伸びなのである。閏年により前年比1%程度上乗せされているので、実際の成長率は前年をやや下回ることになり、実際はマイナスなのだ。閏年であったにもかかわらず、民間最終消費支出は前年比1.0%減と2四半期連続のマイナスであった。消費税率引き上げ後の2014年7-9月期から2015年4-6月期まで4四半期連続の前年割れとなり、7-9月期はプラスに転じたものの再びマイナスに陥り、消費不況は深刻な状態にある。

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日本経済が金融政策では良くならないのは、構造的要因が強く働き消費の低迷が続いているからだ。だが、構造的要因によって消費支出が増加しないだけでなく、これには分配が大きく影響している。日本には企業規模別や男女間の賃金格差がもともとあったけれども、労働者派遣法(1986年)が成立してからは、正規・非正規の賃金格差が著しく開き、低賃金労働者の割合が高まった。さらに、分配の本質といえる企業と労働者の分け前も消費不振を深刻にしている。企業と労働者の分配と労働者間の分配という2重の問題が、日本の消費をいつまでも弱い状態にしているのである。

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岡山の備前から帰ってきたが、円ドル相場や日経平均株価は1ヵ月前に比べて大きな変化はない。変わったところは商品相場であり、WTIの前月比18.3%増などにより、CRB指数は前月比7.8%も上昇した。市場参加者が、米国経済の足取りが依然重く、FRBが利上げになかなか踏み切れないと予想しているからだ。商品相場のマネーゲームにまた火が付いた。NYダウ(4月20日)と日経平均株価(4月22日)は18,000ドル、17,500円をそれぞれ突破したが、超低金利持続だけでは高値を維持することはできない。特に、日本株は米株に追随しただけであり、空疎な値上がりだった。だから下げは速い。

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